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〜「外国人との共生社会」に向けたロードマップを一部変更〜
政府は6月21日、「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」を開き、外国人との共生社会実現に向けた中長期の課題を盛り込んだロードマップを一部変更の上、閣議決定した。今回新たに加わったのは、育成就労制度の創設に係る施策や、送還忌避者の早期出国促進など、最近の入管法改正に伴う内容が中心だ。一方で変更後のロードマップでは、有識者がこれまでの施策に関する実施状況を点検し、今後の見直し策やKPI(業績管理評価)指標も盛り込んだ工程表を改めて示しており、関係省庁に達成状況を踏まえた対応を促している。
工程表では留学生関連で、主に日本国内での就職支援に関する取り組みを引き続き重視。専門学校が留学生向けに行う教育プログラムを文部科学省が認定する制度や、受入れから定着までを見据えた就職先企業との連携モデル構築を進めるほか、大学等が独自に行う質の高い教育プログラムを認定する取り組みに言及した。奨学金枠についても、これらの成果に基づいて見直す方針を掲げ、2025年度までに高等教育機関を卒業・修了する留学生の内、進学者を除いた国内就職者の割合を50%とする目標を改めて打ち出した。
さらに介護現場を長期的に支える人材の育成を進める観点から、これまで実施してきた介護福祉士資格取得を目指す留学生に対する奨学金給付策等を踏まえ、より適切な事業内容について検討・実施すると明記し、奨学金等の支援を行う介護施設向けに同事業を実施する都道府県の数を、昨年度に引き続きKPI指標として設定している。
同様に工程表では、現在東京都が対象となっている「国家戦略特区 外国人美容師育成事業」に関しても、引き続き同特例を活用する地方自治体数と外国人美容師数の増加を図るとした。
今年度から始まった日本語教育機関の新たな認定制度と日本語教師の資格制度に関しては、段階的な実施と制度の整備を同時に進めることや、「日本語教育の参照枠」に基づく教育モデルの活用を謳った。
また、留学生ら日本に中長期間在留する外国人が所持する在留カードを、マイナンバーカードと一体化する施策については、通常国会で成立した改正入管法が公布後2年以内の施行を見据えており、関係する政省令やシステムの整備を進めた上で、来年度から2026年度にかけて交付・運用を行うスケジュールを示した。
改正入管法に盛り込まれた内容ではこのほかに、育成就労制度の3年後施行に向けた法整備や、永住許可取消要件の追加を踏まえた新たな制度運用への移行を工程表に明記している。
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