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~厚労省の外国人雇用状況調査結果、「技・人・国」は中国出身者が多数~
外国人留学生の内、資格外活動許可を取得し、学業の傍ら日本国内でアルバイト等に従事している者は昨年(令和6年)10月末時点で31万1996人に上ることが、厚生労働省のまとめで分かった。前年の令和5年(27万3777人)比で14%増えており、コロナ禍期の令和2年以来4年ぶりに30万人の大台を回復した。各分野で進む労働力人口の減少も背景にあるとみられる。
該当者を出身国・地域別にみると、ネパールが同45%増の8万8177人で、これまで最多だったベトナム(8万338人)を上回りトップとなった。ネパール出身留学生で資格外活動に携わる者は1年間で約2万7千人も急増していて、昨今の留学来日者数の伸びが反映された形。逆にベトナム出身者は、前年より約2千人減少している。
3番目に多い中国(香港・マカオも含む)は5万4136人で、こちらも同5千人以上減った。時期や基数は異なるが、同年6月末時点で日本国内に在留する中国(大陸)出身留学生は13万4239人(出入国在留管理庁まとめ)で、両数値を単純比較すれば中国出身留学生の内、少なくとも約6割は資格外活動に携わっていないことになる(注:厚労省の統計上、同一留学生が複数の事業所でアルバイトしている場合には、重複して換算される可能性があり、実際の資格外活動従事者はより少ないとみられる)。
すでに留学生アルバイトの主要な担い手は、かつての中国出身者から、ネパール、ベトナム両国を始めとした南アジア・東南アジア地域出身者へとシフトしているが、こうした傾向は年々鮮明となりつつあるようだ。今調査では、資格外活動に従事する留学生全体の中で、中国出身者の比率は17%まで低下した。これとは別に、厚労省が令和5年9月時点で全国9450事業所を抽出して行った外国人雇用実態調査(有効回答3534事業所)においては、日常的にアルバイトに従事している留学生の内、中国出身者の占める割合は1割を下回るとする結果も出ている。
前記の3か国以外の留学生アルバイトでは、ミャンマーが前年から8割増の2万821人となり、前年までは国・地域別で上位に入っていなかったスリランカも1万人を超えた(1万6328人)。このほか、インドネシア6192人、韓国5931人等となっている。
一方、留学生アルバイトの従事する産業分野別では、宿泊業・飲食サービス業(10万7339人)が34%を占め、その他のサービス業(5万9572人)も含めると全体の半数を超える。サービス業以外では卸売・小売業(6万5159人)が多く、製造業(2万784人)や教育・学習支援業(1万9126人)も一定数に上る。
また都道府県別では東京都(10万3569人)に全国の留学生アルバイトの3分の1が集中しているほか、大阪府(3万8957人)、福岡県(2万3243人)、愛知県(1万8742人)、埼玉県(1万7682人)、兵庫県(1万4252人)、神奈川県(1万2955人)、千葉県(1万1741人)を合わせた計8都府県で、各1万人を超えている。
※外国人労働者数は過去最多の230万人
なお、「留学」以外の在留資格を所持し日本で就労する外国人は、「技術・人文知識・国際業務」が41万1261人、「特定技能」が20万6995人、「技能実習」が47万725人等で、この内、「技・人・国」は中国(12万1885人)が、「特定技能」と「技能実習」はベトナム(「特定技能」9万621人、「技能実習」22万3291人)が、それぞれ最も多い。
これらのほかに「永住者」や「日本人の配偶者等」等を含めた、身分に基づく在留資格者がのべ62万9117人いる。上記を全て含めた外国人労働者の総数は前年比12%増の230万2587人で、雇用企業による届出が義務化された平成19年以降、過去最多を更新した。出身国・地域別では、ベトナム(57万708人)、中国(40万8805人)、フィリピン(24万5565人)が総数のトップ3となっている。
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