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2025-03-13 13:05:00

 

~訪問介護等の業務で新たに就労が可能に~

 

政府は311日、外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議を開催し、在留資格「特定技能」に関する当面の運用方針を閣議決定した。国内で深刻化する人手不足の現状を踏まえ、就労が可能な領域を一部見直すとともに、原則として5年ごとに示す受入れ見込み数を事実上の上限数として運用することも明記した。併せて、必要に応じた受入れの停止・再開や、大都市圏に人材が過度に集中しないような配慮、及び特定技能外国人の公租公課未払いを防ぐための受入れ機関と所轄省庁による連携も求めている。運営にあたっては、生産性の向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお人材確保が困難な分野に対象を限定する原則を再度強調しており、国内で強まっている急激な受入れ拡大への懸念を払拭する狙いもあるとみられる。

 

一方で特定産業分野の中でも特に人手不足が深刻な分野においては、これまで特定技能外国人の従事が認められていなかった領域に就労範囲を拡大する方針が盛り込まれた。留学生が日本での勉学を修了後、在留資格を「特定技能1号」に変更するケースもあることから、関係者は運用方針の変更に留意する必要がある。

 

分野別運用方針の改正案によると、まず介護分野において、かねてより検討されていた訪問系サービスで特定技能外国人の従事を認めることとした。これまでは11でサービスを提供する業務内容の特殊性から対象外とされてきたが、厚生労働省の検討会が昨年6月に行った中間報告で、一定の条件下で従事を認めるべきと提言。今回の改正案では、介護職員初任者研修課程等を修了し、介護事業所等での実務経験が1年以上の特定技能外国人について、訪問介護等の業務を認めるとした上で、一定期間は責任者が同行することやキャリアアップ計画の作成を求めている。

 

また外食業分野では、風営法の許可を受けた旅館・ホテルにおける飲食提供全般について、新たに特定技能外国人の就労を可能とする方針が打ち出された。農林水産省によれば、同分野には多様な形態が存在し、旅館やホテルでは全体として風営法の許可を受ける事業所もあり、安全な労働環境を確保する観点から、これらは従来、特定技能において一律で就労不可とされてきた。結果として特定技能外国人が、宿泊施設の飲食物部門において飲食物調理等に就労できない状況が生じているという。

 

片や宿泊分野においては、風営法の許可を受けた旅館やホテルでの就労がすでに可能で、これまで特に問題が生じた事例はないため、今回業界団体からの要望も踏まえ、外食業分野でも就労範囲の拡大案が示された形だ。ただこの変更については、有識者会議で制度濫用への懸念の声や、いわゆる「接待」をさせないための厳格な対応を求める声が上がっていて、分野別運用方針には接待防止の「確実な履行を図るため、必要な措置を講じる」と追記された。

 

なお、特定技能制度で受入れる外国人の日本語力に関しては、「特定技能1号」が日本語教育参照枠でA2相当以上、「特定技能2号」が同B1相当以上を基本に、業務上必要な日本語力を各分野別の試験で確認すると改めて規定。求める要件について、分野ごとの実情に応じた上乗せも可能としている。

 

「特定技能1号」から「2号」への在留資格変更に必要な試験で不合格となった場合は、一定の要件下、最長1年の在留継続が認められる。「1号」の滞在期間は上限5年だが、例外事項として、妊娠・出産等に係る期間はこの通算期間に含めないこととされた。

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