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2024-04-26 14:03:00

 

「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」説明会で文科省関係者が説明

 

文部科学大臣が認定した専門学校の学科を卒業した留学生に対し、卒業後の就職を目的とする在留資格の取得要件を緩和する「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」について、東京都専修学校各種学校協会が25日にオンライン形式の説明会を開催した。当日は文部科学省専修学校教育振興室の関係者が出席し、運用方針など詳細について説明を行うとともに、事前に参加者から寄せられた質問にも回答した。

 

現在、専門学校を卒業した留学生が日本で就労を目的とする「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請を行うにあたっては、学校での専攻内容と従事しようとする業務との間に「相当程度」の関連性が必要で、就職できる業種が限定されている。一方で昨今の人手不足を受けて、産業界からは政府の対応見直しを求める声が上がり、昨年の教育未来創造会議を踏まえ、今年、出入国在留管理庁が同在留資格に関するガイドラインを改定した経緯がある。これにより、質の高い教育を行っていると文科大臣が認定した学科の卒業生について、専攻内容と業務内容の関連性が柔軟に判断されることになった。

ただ実際の運用にあたっては関連性の解釈が曖昧で、個別の事情ごとに入管庁で判断される側面があり、関係者の間では運用のあり方が焦点となっている。

 

25日の説明会で文科省関係者は、基本的な方針として、新たな制度においても在学中の専攻分野と全く関連性のない分野への就職は認められない可能性が高い、と説明した。また分野ごとの認定・不認定の線引きについては、①「技術・人文知識・国際業務」への該当性が高い分野(いわゆるホワイトカラー業務)は認定されやすいが、教育内容で該当性が低いと思われる学科は認定されにくい、②4年制専門課程は単純な技能の修得には止まらないと判断できるので認定されやすい、③介護や調理のように「介護」「特定活動」等、別の在留資格で在留可能な分野や、保育のように該当する在留資格がない分野は、基本的に申請要件には該当しない、と述べた。但し③に関しては、例えば教育内容に経営学的なもの等が含まれているケースで一部認定された例もあるとした。

 

また同プログラムでは、申請要件として在籍留学生数が全学生数の2分の1以下であることが原則として求められており、例外的に日本での就職率9割以上等の要件を満たせば申請も可能としているが、この要件に関しても「厳しすぎる」との意見や改善を求める声が複数出た。

文科省関係者は「2分の1基準」など厳格な制度運用については、政府与党からの要望も踏まえたものとした上で、留学生数が2分の1以内の学校に関しても、今後求める要件を見直していく考えを示唆した。また就職率基準を卒業者の9割ではなく、就職希望者の9割とするよう求める意見も出たが、文科省としては卒業生数を分母とする運用を当面続ける意向を示した。

 

文科省では先月末、「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」の初年度における認定学科を決定しており、188475学科が認定された。分野ごとの内訳は工業系が56校、商業実務系が55校、文化・教養系が42校等となっている。

2年目となる今年度の申請時期は現時点で未定だが、秋までには設定できるよう各省庁との間で調整が行われる見通し。文科省では制度の趣旨についてアジアを中心とした各国の在外公館や経済界に周知を行うとともに、近く運用方針等に関するQAを作成しホームページで公表するとしている。

 

なお、昨年度中に同プログラムの認定学科を卒業し、継続就職活動を目的とする在留資格「特定活動」に変更の上、就活を継続中の卒業留学生に関しても、「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請に際しては、在学中の専攻内容と業務内容の関連性が柔軟に判断される対象となることが改めて確認された。

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