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私大連が留学生の入国に関する要望書を提出
日本私立大学連盟(私大連)は留学生の入国に関する要望事項をまとめ、16日付で文部科学省に提出した。同省の水際対策関連のタスクフォースからヒアリングを受けたことも踏まえ、再度私大側としての公式見解を表明した形だ。要望書では「留学生入国受入れに関連する私立大学の財政負担は多大なものとなっている」として国の支援を求めたほか、入国申請の再開にあたっては「教育機関を優先し遅滞なきよう対応」することや、待機期間の緩和、空港等からの移動手段確保についての支援も要望している。
さらに一連の留学生に関する申請手続きに関しては「対応する人数が企業等との比ではない」ことを踏まえ、簡素化を検討するよう依頼。先月の申請開始以降、国が求める提出方法が二転三転したことなども踏まえ、データ提出への申請方式一括化や、変更情報の省庁HPへのわかりやすい表記、誓約書の多言語翻訳などを列記した。
また受入れ再開時を見据え、留学生の申請受付が停止されている期間中に、申請準備を進める方針も表明。国が申請受付を始めても、その段階でようやく新たな申請ルールなどが発表される形だと大学が即座に申請を開始できず、結果として留学生の学習機会が損なわれかねないとして、申請上必要な関連情報を事前に提示することなども求めている。
★オミクロン株に対する水際対応を議論 年明け後も「慎重対応」
自民党は17日午前の外交部会などによる合同会議で、「国際的な人の往来に関する措置」を議題に盛り込み、オミクロン株に対する今後の対応方針を議論した模様だ。同株に関する「分析や疫学的な情報がまだ十分とは言えない状況(関係筋)」を踏まえ、年明け以降も当面、現在の入国制限を継続する方向で検討が進んでいるとみられる。岸田文雄首相は16日の参院予算委員会で、オミクロン株のリスクをある程度予想できる状況になるまでは、慎重な対応を続ける方針を示していた。
★所管官庁への申請による11月入国者 わずか228人
今年11月の1か月間で新たに来日した外国人の数は1万1568人だったが、この内、政府が11月8日に新規入国者の入国をいったん認めてから同30日に再停止するまでの3週間の間に、所管省庁への申請を必要とする新たなスキームで実際に新規入国した外国人が、228人にとどまっていたことが出入国在留管理庁のまとめで分かった。その他は全て「特段の事情」による入国だった。
政府は11月8日の受入れ再開にあたり、入国する外国人の在留分野ごとに担当の「業所管官庁」による事前審査を受けることを求めたが、提出書類が煩雑で手続きが在外公館でのビザ申請など複数の省庁に跨るほか、入国できる対象を当面、在留資格認定証明書(COE)の交付日ごとに限定する方針もあり、同月中の入国実績にはほとんど結びつかなかった形だ。
★各大学の履修単位積み上げも視野に 大学院設置基準の改正を諮問
文部科学省は大学院の高度な専門教育に多くの人がアクセスできるよう、大学院設置基準の一部改正に向けた手続きに入った。先に中央教育審議会(中教審)が出した提言などを踏まえたもので、今月15日付で末松信介文部科学大臣が、改正上必要となる規定の整備等について中教審に諮問した。
中教審が先月とりまとめた「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」では、一定のまとまりのある学習プログラムを修了した社会人などに履修証明書を交付する「履修証明プログラム」について、見直しの必要性を指摘。学位取得に向けた各大学等での単位積み上げや、複数の高等教育機関の間で単位を積み重ねる単位累積加算などの方法も活用できるよう制度改正を提言した。また正規の学位課程の一部を修了した者に対する学修証明も、法令上の位置づけを明確にするよう求めていた。
「グランドデザイン」では同時に、学部生を含めて日本人を入学者の主対象と想定する従来モデルから、社会人や留学生を積極的に受入れるモデルへの体質転換も課題として指摘しており、この内、留学生の大学入学資格に関しては、原則18歳にならないと認められない年齢要件の一部撤廃や、12年に満たない高校相当の教育課程の追加指定など、見直しの必要性に言及している。
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デジタル庁は、海外からの来日者や帰国者が入国時に書類の提出で行っていた手続を、ウェブ上で事前に処理できるサービスの運用を始める。入国業務の負担を軽減するとともに、コロナ禍対応や利用者の利便性向上を図る狙いがある。
システムは「Visit Japan Webサービス」と呼ばれるもので、20日から羽田、成田など国内の6空港で稼働する。入国審査や税関申告、検疫に必要な情報を、事前に本人がスマートフォンなどで入力し、検査証明書の電子データもアップロードできるようになる。
これまでは、入国者が入国時に検疫質問票などに自筆で記入して提出することが求められてきた。ただ特に外国人に関しては、コロナ禍以前から空港での入国審査に伴う待ち時間の長さが指摘されていて、一連の手続きをデジタル化することにより入国時の負担がある程度解消されることが期待される。
デジタル庁では、同サービスの運用開始後は事前のウェブ申請手続きで取得するQRコードを、本人が入国審査や税務申告の際に指定窓口で表示させるだけで、スムーズな審査が可能になるとしている。
★入国停止措置を問い直す緊急パネルセッションを開催
「日本留学の扉を開く会」が呼びかけ、明日20時から
「コロナ禍の日本留学の扉を開く会」では、先に提出した留学生等の受入れ再開要望に対する文部科学省からの回答を受けて、明日16日(木)の20時から緊急パネルセッションを開催することを決めた。
同会では、オミクロン株が出現し留学生等の新規入国が停止されて以降も、日本人や在留資格所持者等、1日あたり3500人の再入国は認められているとした上で、ウイルスに国籍による区別はないとしたWHO(世界保健機関)の指摘も踏まえ、日本政府の入国停止措置の意味を防疫的な観点から問い直すことが目的だとしている。
また12月8日付で末松信介文部科学大臣が留学生へのメッセージを発し、留学予定者らが海外で学べるようオンライン授業の質向上策を講じるとしていることについても、「これ以上オンラインでは我慢できないと失望した学生たちの(留学)キャンセルが再び相次いでいる」と政策効果に疑問を呈している。
緊急パネルセッションには日本語学校経営者、大学関係者のほか、技能実習生や高度人材の受入れ関係者らもパネリストとして参加予定。YouTubeの下記リンクにて視聴が可能だ。
★「コロナ禍の入国制限を考えるパネル会議」
12月16日(木)20時~21時30分
視聴先リンク→ https://youtu.be/pIckyYWa0ls
★香港が「3日間待機」から除外に
政府は新型コロナ変異株への水際対策として、入国時に検疫所指定の宿泊施設で待機を求める指定国・地域を断続的に見直しているが、これまで3日間待機を求めてきた香港が対象から外れたことがわかった。香港から再入国する外国人等は、本日(15日)0時以降、入国時の検査結果が陰性なら入国後14日間の自宅等待機へと直接移行する形になる。
なお、中国本土においては初となるオミクロン株の感染例が天津からの入国者向け検査において13日に確認されたが、中国当局の発表では該当者は空港検疫後に隔離されており、14日時点で市中感染などは出ていないという。日本政府も、中国を同株の指定国・地域とはしていない。
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再入国禁止はアフリカ11か国に
政府は新型コロナウイルス・オミクロン株の感染が確認された地域として12月7日以降の5日間で、新たに4か国と2地域を加えた。追加されたのはクロアチア、アイスランド、コンゴ民主共和国、チリと、米国ルイジアナ州及びインドのラジャスタン州。この内コンゴ民主共和国については在留資格をもつ再入国者の入国も拒否する。これによって再入国禁止対象国はアフリカ11か国に広がった。デンマークは待機期間が3日間から6日間に延びた。
一方でサウジアラビアについては11日付で、オミクロン株指定国から除外した。近隣アジア地域で、検疫所指定宿泊施設における待機を求める対象は、引き続き韓国(6日間)と香港(3日間)となっている。
一方、政府の水際対策は「オミクロン」シフトを鮮明にしつつあり、オミクロン株以外の変異株については入国管理の簡素化が際立つ。これまでは検疫所指定宿泊施設で待機対象となる再入国者や帰国者の内、ワクチン接種証明書の保持者に関しては待機を免除し、14日間の自宅待機に直接移行させていたが、10日からは「3日間待機」と「6日間待機」の対象国・地域に関しては接種証明書を所持していなくとも自宅待機への切り替えを認めた。待機施設の収容能力が逼迫してきたことも背景にあるとみられる。オミクロン株対象国・地域からの入国者には従来通り待機を求める。
政府は留学生等、新規入国の外国人に対しては、「オミクロン株の詳細が明らかになるまでの緊急避難措置」として、当面年末まで全ての入国を停止している。
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~文科省が「日本留学の扉を開く会」の要望書に回答~
「コロナ禍の日本留学の扉を開く会」が留学生の受入れ再開などを求めた要望書に対して、文部科学省はこのほど正式な回答を寄せた。今回の政府による入国停止決定を緊急避難的な措置であるとした上で、留学生らの入国の可能性について引き続き検討を行うことや、受入れ再開後の円滑な入国手続きへの取組を進めていく方針を示している。関係筋からの情報によると、今回の要望内容は現在開会中の国会審議に議員案件として提出されており、今後、受入れ再開に向けた議論が進むことが期待される。
新型コロナ・オミクロン株の拡大に伴って留学生らの新規入国が12月末まで停止されたことを踏まえ、「扉を開く会」では今月6日付で、①早急な受け入れロードマップの提示、②留学生の入国の早期再開と、円滑な受け入れのための審査簡素化、③「段階的受け入れ」方針の撤廃、④留学生の恒常的受け入れ(外国人差別、私費/国費の区別撤廃)、を骨子とする要望書を文部科学大臣と文化庁国語課長宛てに提出していた。
これに対し文科省が各要望事項について回答した内容では、まず今後の方向性に関して、入国禁止決定はあくまでも「オミクロン株の詳細が明らかになるまでの緊急避難的な措置」であるとして、同株の分析状況や関係者の要望等を踏まえつつ、水際対策強化に伴う課題について引き続き関係省庁と検討を進めていく方針を表明。入国希望者の入国の可能性を追求していく意向をにじませた。
また入国に伴う申請手続きについては、「内閣官房及び水際制度の担当省庁」において政府共通で定められており、審査の簡素化なども共通する制度枠組みの中で行われる必要性を指摘しつつ、文科省としては再開後の円滑な入国手続きのために、関係省庁と連携して取り組んでいくとしている。
さらに在留資格認定証明書(COE)の発行時期に基づく「段階的な入国」方針に関しては、「今後の1日当たりの入国者総数の扱い」や「オミクロン株の分析状況等を含めた、新型コロナウイルスの流行状況等」を踏まえながら、関係省庁と共に検討を進めていくとしており、今後の方針見直しに含みを残しているとも言えそうだ。
一方、先にWHO(世界保健機関)の関係者が、入国の可否を自国民かどうかで判断する日本政府の水際対策に疑問を呈したことについて、文科省は「WHOからの指摘については承知している」としながらも、日本としては今回の決定が緊急避難的な措置であることについて、各国に理解を求めており、未知のリスクに対する対応であることに重ねて言及した。
回答では最後に、留学生の恒常的な受入れに関連して、私費・国費の区別撤廃を求めた要望については、すでに「特段の事情」による新規入国が、真に必要なものに対象を限定した上で厳格運用されていると説明。今夏以降、「公益性」の観点から例外的に認めてきた国費留学生の新規受入れも、11月30日以降停止されていることを明らかにした。
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「日本留学の扉を開く会」が文科省などに再度要望
インターネットやSNS上で海外の学生たちの声を発信し続けている「日本留学の扉を開く会」は、留学生受入れ再開に向けた要望書を、再び日本政府に提出した。すでに11月15日時点で文部科学省に対して留学予定者に対する「審査済証」の前倒し交付などを要望しているが、その後、岸田文雄政権が外国人の新規入国を12月末まで停止したことを受けて、再度、今月6日に文部科学大臣と文化庁国語課長宛てにメールで要望事項を発出したという。
要望の骨子は、①早急な受け入れロードマップの提示、②留学生の入国の早期再開と、円滑な受け入れのための審査簡素化、③「段階的受け入れ」方針の撤廃、④留学生の恒常的受け入れ(外国人差別、私費/国費の区別撤廃)の4点から成る。
この内①については、入国停止期間は当面1か月とされたが、再開の目途やビジョンが何ら示されていないことから、来日待ちの留学生等の間では今年初めの禁止時と同様に長期化するのではないかとの懸念がある。また③は在留資格認定証明書(COE)の交付順に入国を認めるとした11月初旬の政府方針に関して、すでに日本語教育機関6団体の調査により多くのCOE所持者の留学キャンセルが確認されたほか、今回の入国再禁止により、入国延期となった留学生たちの損害は甚大だとして、段階的入国措置を速やかに撤廃するよう求めている。
「新規入国者」と「日本人・在留資格保持者」を区別する根拠なし
一方、外国人に対する新規入国禁止措置に対しては、先にWHO(世界保健機関)の関係者が入国の可否を自国民かどうかで判断する日本政府の対応に疑問を呈したほか、「科学的ではない」とか「鎖国政策」と指摘する専門家の声も少なくない。今回の要望では同措置について「WHOの談話を待たずとも海外からは差別的と受け取られている」と断じた上で、防疫的な観点から、「長期滞在者」としての新規入国者と、日本人や在留資格保持者との違いの合理的な根拠は認められないと指摘した。今後、検疫措置に関して外国人差別を行わないよう、さらに呼びかけることも検討しているという。
「扉を開く会」では入国禁止から続く一連の推移により「日本への不満、批判」が深刻なレベルに変化しつつあることに懸念を示すとともに、今後も、「留学生を含むレジデンストラックの基本的受入れ」をゴールに、活動を続けるとしている。
★末松文科相、来日できない留学生向けメッセージを配信
留学生を含む外国人の新規入国が年末まで停止されたことを受けて、末松信介文部科学大臣は8日、「日本留学を心待ちにしていた留学生の皆様へ」と題する動画をYouTubeで配信した。動画では、ようやく日本で学ぶ目途が見え始めた矢先に入国が叶わなくなったことを「大変残念に思います」と述べ、日本に関心を持ち留学を希望する若者たちが、実際に日本に住み様々な人と交流し、卒業後は日本の良き理解者として活躍してもらうことが大切との認識を示した。
その上で末松文科大臣は当面の措置として、留学予定者らがオンラインなどを活用し、母国でも学習を進められるような環境整備を行う意向を表明。オンライン教育コンテンツをまとめたプラットフォームの整備や、オンライン環境での質の高い日本語教育への支援を進めるとしている。
今後の入国再開を見据えた文科省の取組としては、一連の申請手続きを最大限迅速化できるよう、大学等の関係者と連携していく方針を強調した。
末松文科大臣は動画の最後に、留学予定者らに対して、「皆さまが日本で安心して学ぶことができる日が来るまでは、学習環境を整えつつ、日本でお会いできる日を心待ちにしております」とのメッセージを添えた。
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