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5月8日から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが「5類」に変更されたことを受け、コロナ禍における入国管理政策も大きな区切りを迎えた。出入国在留管理庁は8日、留学生や日本語教育機関に対しコロナ禍の下実施してきた一連の特例的な取扱いを終了すると発表した。
入管庁では一時、コロナ感染の拡大により留学生や留学予定者の母国との往来が困難になった状況を受けて、帰国困難者に対する在留資格上の配慮や、日本語教育機関における在籍期間の延長、在留資格認定証明書の有効期限延長など様々な取組を行ってきた。これらの内、就職内定者が就労を開始するまでの間に許可される「特定活動」について、コロナ禍の下では必要となる期間に応じ在留期間更新が認められてきたが、今年5月1日以降に就労を開始する場合には、内定後1年を超えているか又は卒業後1年6か月を超えている場合には、原則として就労への在留期間更新が認められなくなるという。これ以外の特例措置は、昨年度までにほぼ運用が終了していて、今回の発表により入管審査は通常の形へと戻ることになる。
★全世界向けの「感染症危険情報」を全面解除
一方、外務省は5月8日付けで、全世界に発出していた新型コロナウイルスに関する「感染症危険情報」を全面的に解除した。5日に世界保健機構(WHO)が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を解除したことなどを踏まえた措置。
感染症危険情報は新型コロナやSARSなどリスクの高い感染症に関し、渡航や滞在に際し注意を要する国・地域に対して発出される。危険情報は4段階に分かれ、レベル1は最も低いレベルだ。コロナ禍の期間中、政府は感染状況に応じて危険情報のレベルを段階的に引き上げ、一時はレベル3(渡航中止勧告)まで至ったが、昨年10月に当時のレベル2からレベル1へと引き下げられていた。
今回の全面的な解除により、コロナ禍は制度的な終息へと近付いた形だが、外務省では今回の見直しとは別途、サル痘に関する感染症危険情報を発出しているとして、引き続き警戒を呼び掛けている。
★日韓会談で首相「日韓の将来を担う青年交流を強化」
岸田文雄首相は7日から8日にかけて韓国を訪問し、ユン・ソンニョル大統領と日韓首脳会談を行った。会談後の共同記者会見で岸田首相は、日韓関係の将来を担う青年たちの交流を強化する考えを表明。対日理解促進交流プログラム(JENESYS)による韓国との対面交流を全面的に再開し、また交流人数を昨年度比で倍増する方針をユン大統領に伝えた。
日韓関係は今年初めのユン大統領の就任後、急速に改善の機運が高まっており、双方が交互に相手国を訪問する「シャトル外交」の枠組みが復活している。岸田首相は月内に予定されているG7広島サミットにユン大統領を招待していて、同サミットで話し合われる各国間の海外留学・青少年交流促進の議題ともリンクする可能性がありそうだ。
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政府はモンゴルの若手行政官が、日本の大学院で学ぶ取り組みを来年度も支援する。途上国向けの無償資金協力のスキームである「人材育成奨学計画(JDS)」を活用し、令和6年度中に最大16名を受入れる。5月1日にウランバートルで、秋本真利外務大臣政務官が、ボルド・ジャブフラン・モンゴル大蔵大臣との間で交換公文に署名した。供与限度額は2億6600万円。
日本外務省によると、モンゴルでは産業構造の多角化など新たな開発課題が山積しており、これらを担う現地政府機関では良質な人材の確保が急務となっている。政府は留学生の受入れを通じて現地人材の育成を支援し、双方の相互理解や友好関係の深化につなげたい考えだ。
JDSの事業主体である独立行政法人国際協力機構(JICA)によれば、モンゴルからの同事業を通じた留学生受入れは2002年から始まっており、2022年までにのべ400名が日本の大学で学んだ実績を有する。直近2022年の受入れは修士課程が15人、博士課程が1人だった。
なお、2022年5月時点において日本国内で学ぶモンゴル出身の留学生は、私費留学生を含めた総数で2941人。内訳は大学、専門学校等の高等教育機関が1982人、日本語教育機関が959人で、在日留学生の出身国・地域別では11位となっている。
政府はモンゴルを国際教育面における有力なパートナーとして重視しており、日本の高専制度を海外展開する重点3か国の一つに位置付けている。3か国からは日本への留学生を拡充しようとする取組もあり、今後は留学予定者向けの日本語教育体制の強化も課題となりそうだ。
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