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2023-08-08 13:57:00

 

 

日本で生まれ育ち学校教育を受けながら、在留資格を有していない18歳未満の外国籍の子女について、政府は先週、在留特別許可を与える方針を正式に表明したが、これに関連して齋藤健法務大臣は会見で、該当者に付与する在留資格は基本的に「留学」を想定していることを明らかにした。

 

この問題をめぐっては、先の国会で成立した改正入管法の審議の過程で、在留資格のない送還忌避者の子女をどう扱うのかが焦点の一つとなっていた。齋藤大臣は「改正(入管)法の施行時までに我が国で出生し、小学校、中学校又は高校で学校教育を受けており、引き続きわが国で生活することを真に希望している」と認められる場合、家族一体で日本社会との結びつきを検討した上で、在留特別許可を行う方針を表明した。出入国在留管理庁によると、目下該当する子女は201人だが、この内少なくとも7割程度が対象となる見通し。改正法の施行時点で学齢期に達している子女を基準とすれば、同比率は8割程度に達するという。対象者の在留資格は本人の身分や日本で行おうとする活動等に応じて個別に決定されるとしつつ、「基本的には(教育を受けている)子どもについては『留学』の在留資格を付与することになるのではないかなという想定をしている」と述べた。

 

今措置の実施においては、「留学」生として日本に滞在することになる子女のみに在留特別許可を与えると、生活が立ち行かなくなることを考慮し、本人を監督養育する親についても、就労可能な「特定活動」の在留資格を付与する基本方針が決まった。一方で同措置をめぐって齋藤大臣は、親の側に「看過しがたい消極事由がある場合、出入国管理行政に与える支障も大きい」として、在留特別許可を出せない場合もあると述べた。具体的に想定されるケースとしては、親が①他人名義の旅券を行使し入国、②偽装結婚による入国や仲介、③不法入国・不法上陸、④偽造在留カードの作成・売買、⑤薬物使用・売春等、反社会性の強い犯罪行為に関与したとか、⑥懲役1年を超える実刑判決を受けている、等の例を挙げた。

 

なお、齋藤大臣は対象となる子女の内、日本で出生後に小中学校等で教育を受けすでに成人している子女に対しては、同様に在留許可を出す方向で考えていきたいとしたほか、国内では出生していない対象者の子女94人についても、日本国内で教育を受けている点などを考慮の上、個別事案ごとに判断していく考えを述べている

 

今措置の実施時期については、改正入管法の施行を待たず、許可が可能な案件から順次、許否の判断を行っていく意向も示した。

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2023-08-04 13:58:00

 

~文化庁が今年度から予算化、今月末まで公募~

 

文化庁は大学・大学院等を拠点に、各地域における日本語教師の養成・研修を行う新たな事業を近く開始する。先の国会で日本語教育機関の認定制度と日本語教師の国家資格(登録日本語教員)創設を盛り込んだ法案が成立したことを踏まえ、大学のほか、日本語教育機関や地方自治体、民間企業等が共に参加するネットワークを構築し、各地域で日本語教育を担う高度人材の育成に向けた基盤整備を図る。

 

このプロジェクトは「日本語教師養成・研修推進拠点整備事業」で、今年度、新規で6千万円の予算が計上されている。文化庁による類似のカリキュラム開発事業が昨年度終了したことを受けたもので、今回は令和9年度までの5か年度事業だが、毎年度ごとに各事業の継続の可否が判断される。初年度は全国6ブロックで、6か所の拠点を整備する計画だ。

 

同事業では、大学・大学院等が中核となり、日本語教育機関、地方自治体、経済団体等を構成メンバーに「日本語教師養成実施機関連絡協議会」を設置する取組が対象となる。コンソーシアム組織を設置するほかに、▶日本語教師・教育者に対する教師養成・実践研修の実施、▶地域におけるニーズ把握を目的とした日本語教師・教育者の状況調査の実施、の2点を必ず企画に盛り込む必要がある。これらのほか、大学等との単位互換を含む提携や、登録日本語教員の雇用に繋がっていくような取組を重視するとしている。

 

事業に応募が可能なのは、①国立大学法人、公立大学法人又は学校法人、②公益財団法人又は公益社団法人の法人格を有する団体。日本語教師養成課程を実施する大学以外の団体が応募する場合には、所定の教育内容を踏まえた養成・研修を行っていることを確認できる書類が別途必要となる。

 

文化庁では今月初めから同事業の公募を開始した。応募期限は83117時まで(電子メール、必着)。

 

★外国人との共生社会実現は「ロードマップ」で対応~法相

 

 齋藤健法務大臣は81日の会見で、外国人との共生社会の実現に向けた総合的な法整備の必要性について問われた際、昨年6月に閣僚会議で決定済みの「ロードマップ」に基づき、外国人の受入れ環境を整備していくと述べて、別建ての法律を作ることは想定していないことを示唆した。

同ロードマップにおいては、在留資格をもつ外国人を社会の構成員として受入れていくという視点に立ち、日本語教育や情報発信・相談体制を強化していく方向性が打ち出されている。

 

 同時に齊藤大臣は「ルールに違反する者に対しては厳正に対応していく」ことが必要だとして、前国会で成立した改正入管難民法をその重要な一歩に位置付けた。

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