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「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」説明会で文科省関係者が説明
文部科学大臣が認定した専門学校の学科を卒業した留学生に対し、卒業後の就職を目的とする在留資格の取得要件を緩和する「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」について、東京都専修学校各種学校協会が25日にオンライン形式の説明会を開催した。当日は文部科学省専修学校教育振興室の関係者が出席し、運用方針など詳細について説明を行うとともに、事前に参加者から寄せられた質問にも回答した。
現在、専門学校を卒業した留学生が日本で就労を目的とする「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請を行うにあたっては、学校での専攻内容と従事しようとする業務との間に「相当程度」の関連性が必要で、就職できる業種が限定されている。一方で昨今の人手不足を受けて、産業界からは政府の対応見直しを求める声が上がり、昨年の教育未来創造会議を踏まえ、今年、出入国在留管理庁が同在留資格に関するガイドラインを改定した経緯がある。これにより、質の高い教育を行っていると文科大臣が認定した学科の卒業生について、専攻内容と業務内容の関連性が柔軟に判断されることになった。
ただ実際の運用にあたっては関連性の解釈が曖昧で、個別の事情ごとに入管庁で判断される側面があり、関係者の間では運用のあり方が焦点となっている。
25日の説明会で文科省関係者は、基本的な方針として、新たな制度においても在学中の専攻分野と全く関連性のない分野への就職は認められない可能性が高い、と説明した。また分野ごとの認定・不認定の線引きについては、①「技術・人文知識・国際業務」への該当性が高い分野(いわゆるホワイトカラー業務)は認定されやすいが、教育内容で該当性が低いと思われる学科は認定されにくい、②4年制専門課程は単純な技能の修得には止まらないと判断できるので認定されやすい、③介護や調理のように「介護」「特定活動」等、別の在留資格で在留可能な分野や、保育のように該当する在留資格がない分野は、基本的に申請要件には該当しない、と述べた。但し③に関しては、例えば教育内容に経営学的なもの等が含まれているケースで一部認定された例もあるとした。
また同プログラムでは、申請要件として在籍留学生数が全学生数の2分の1以下であることが原則として求められており、例外的に日本での就職率9割以上等の要件を満たせば申請も可能としているが、この要件に関しても「厳しすぎる」との意見や改善を求める声が複数出た。
文科省関係者は「2分の1基準」など厳格な制度運用については、政府与党からの要望も踏まえたものとした上で、留学生数が2分の1以内の学校に関しても、今後求める要件を見直していく考えを示唆した。また就職率基準を卒業者の9割ではなく、就職希望者の9割とするよう求める意見も出たが、文科省としては卒業生数を分母とする運用を当面続ける意向を示した。
文科省では先月末、「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」の初年度における認定学科を決定しており、188校475学科が認定された。分野ごとの内訳は工業系が56校、商業実務系が55校、文化・教養系が42校等となっている。
2年目となる今年度の申請時期は現時点で未定だが、秋までには設定できるよう各省庁との間で調整が行われる見通し。文科省では制度の趣旨についてアジアを中心とした各国の在外公館や経済界に周知を行うとともに、近く運用方針等に関するQ&Aを作成しホームページで公表するとしている。
なお、昨年度中に同プログラムの認定学科を卒業し、継続就職活動を目的とする在留資格「特定活動」に変更の上、就活を継続中の卒業留学生に関しても、「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請に際しては、在学中の専攻内容と業務内容の関連性が柔軟に判断される対象となることが改めて確認された。
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今年度から始まる日本語教員の新たな国家資格(登録日本語教員)試験で、所定の課程や講習を修了した人について試験の一部を免除する措置に関して、同課程を受講中や講習終了前の場合にも条件付きで適用されることがわかった。文部科学省が最近更新した関連サイトのQ&Aに、同趣旨の内容が掲載された。
「登録日本語教員」となるためには通常、「基礎試験」と「応用試験」に合格し、登録実践研修機関における「実践研修」を修了する必要があるが、現職教員を念頭に、新制度へと円滑に移行できるよう経過措置が設けられている。具体的には「登録日本語教員」養成機関と同等とされる「必須50項目」に対応した日本語教員養成課程を修了しているか否かで、適用される免除措置の内容が分かれる。
例えば「必須50項目」に対応した養成課程の修了者は、国家試験の内「基礎試験」が免除され「応用試験」の合格のみが必要となるが、例えばこの養成課程を受講中の人も、試験実施の翌年4月までに課程を修了し修了証明書を提出できる場合は、同様に日本語教員試験の「基礎試験」の免除措置が適用されることになった(※現職者に限らず対象となる)。ただ同ケースでは、試験結果が合格水準に達していたとしても、養成課程の修了書が提出されるまでは仮合格扱いとなり合格証書は発行されない。
一方「必須50項目」対応より以前の養成課程修了者は「応用試験」合格のほかに講習を受講し講習修了認定試験に合格することが必要だが、同講習の修了前に日本語教員試験の「基礎試験」の免除適用を受け、「応用試験」のみを受験することが可能だという。但し試験実施の翌年4月までに講習の修了書を提出しなければ、合格は取り消される。
上記が適用される現職者(現職教員)の範囲については、平成31年(2019年)4月1日から令和11年(2029年)3月31日までの間に、▶法務省告示機関で告示を受けた課程、▶国内の大学、▶認定日本語教育機関で認定を受けた課程、▶文部科学大臣が認定した日本語教育課程(認定を受けた日本語教育機関が過去に実施した課程)のいずれかにおいて、1年以上日本語教育課程を担当した者、とされている。
この内、大学で日本語を教えている教員に関しては、上記期間内に「日本語に通じない留学生が我が国において生活するために必要な日本語を理解し、習得させるための教育を行うことを目的とした日本語教育課程を1年以上担当した」場合に現職者とみなされる。海外の大学での教員経験は対象とならない。
また法務省告示校において無報酬で活動していた場合でも、在職証明書で1年間日本語教育課程を担当していたことを証明できれば、対象になる。
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今年2月の1か月間に、「留学」の在留資格を取得し新たに来日した外国人は489人だったことが関係省庁のまとめでわかった。昨年同月(800人)と比較すると減少しているが、2月は新年度前の端境期に当たることから、もともと入国者数の規模は小さい。
2月の留学入国者を出身国・地域別にみると韓国(160人)、中国(大陸;106人)、インドネシア(30人)、台湾(23人)等の順に多い。
一方、1月は3246人が留学生として入国していた。1-2月の累計でみた新規入国留学生数は3735人で、昨年比1割減で推移している。出身国・地域別では中国(大陸)が825人で最も多く、米国(733人)、ネパール(335人)、韓国(304人)が続く。その他、ベトナム(190人)、ミャンマー(123人)、台湾(114人)、インドネシア(110人)も含めた8か国・地域が100人以上という状況となっている。
例年、4月期に日本語教育機関等へ入学する留学生らは、3、4月の入国者が大多数を占める。
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【主要大学の2025年度留学生募集情報!】
~認定日本語教育機関の運営に関するガイドラインを正式決定~
出入国在留管理庁と文部科学省総合教育政策局は先般、認定日本語教育機関の運営に関するガイドラインを定めた。今年1月に策定した案がベースとなっており、4月より日本語教育機関の所管が文化庁から文部科学省へ移管されたのに伴い、正式決定したもの。同ガイドラインは今後、留学のための課程を置く日本語教育機関の認定において、文科大臣が法務大臣と協議する際に事実確認を行ったり、報告や資料の提供を求めたりする上での基準となる。
ガイドラインは「出席管理体制に関する事項」と「在留を継続するための支援体制」に関する事項の2本柱から成っている。
出席管理体制の関連では、①1か月の出席率が8割を下回った生徒には8割以上になるまで改善指導を行い、指導状況を記録する、②1か月の出席率が5割を下回った生徒には①の指導以外に、生徒がアルバイト(資格外活動)を行う機関名を確認・記録する、ことを定めた。
また在留継続の支援体制に関しては、経費支弁能力や資格外活動の状況確認・把握等のほか、入学に際しての仲介者や仲介料に関するルールを明文化。仲介者等への支払い額と名目を適切な方法で把握し、不適切な仲介者等が関与している場合はその入学希望者の入学を認めないこととした。同時に生徒の在籍中や離籍後の就労または進学に際しては、職業安定法の許可によるものを除き、役員・校長・教職員等が生徒の就労・進学先や仲介者等からあっせんや紹介の対価を得ることを禁じている。
さらに昨年来、一部の教育機関で問題が表面化した人権侵害行為についても、▶旅券や在留カードの取り上げ、▶合理的な理由なく生徒の意向に反して除籍・退学・帰国させる行為、▶進学や就職のために必要な書類を発行しない等、生徒の進路選択を妨害する行為等を具体的に列挙。これらが教育機関内で組織的に行われていた場合だけでなく、一教員や一職員の行為が黙認されていたような場合でも、日本語教育機関の行為として評価されると位置付けた。
ガイドラインでは「学習活動を適正に行っているとは認められない生徒が多数存在する場合には、その状況を是正する措置を適切にとる」ことを求めたが、同状況にあたるかどうかの判断は、該当する生徒数だけでなく、地方出入国在留管理局等が調査を行った上で問題学生の「受講状況等個別の状況を踏まえる必要がある」とした。具体的な適用例としては、▶全ての生徒の6か月間出席率の平均が7割を下回る、▶一暦年中に入学した者の3割以上が、在留期間更新または在留資格変更を受けずに在留期間を経過して在留し続ける、等を挙げている。
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~2025年度卒業予定者の採用活動ルールを申し合わせ~
国公私立大学の代表者らで構成し、学生の就職活動のあり方を検討・協議する就職問題懇談会は、2026年4月入社組(2025年度)の卒業・修了予定者に対する就職(採用)活動の開始時期について申し合わせを行い、各教育機関に通知した。学生が学業に専念し安心して就職活動に取り組めるよう、これまで同様、▶企業説明会の開催等広報活動の開始を卒業・修了前年度(2025年)の3月1日以降、▶採用面接等の採用選考活動を同6月1日以降、▶正式な内定日を同10月1日以降、とする方針の順守を求めており、今後、各経済団体等に対しても要請を行う。
一方で、同通知では2025年度以降の大学卒業・修了予定者の内、大学が企業または地域コンソーシアムと連携して実施する専門活用型のインターンシップを通じ、高い専門的知識や能力をもつと判断された対象者に関しては、6月より早いタイミングで採用選考プロセスに移行できるとする方針も示されている。
企業側では日本経済団体連合会(経団連)が、昨年4月に出した「インターンシップを活用した就職・採用活動日程ルールの見直しについて」において同様のスケジュール感を打ち出した中で、従来の新卒大量一括採用の枠組みでは、高い専門的知識・能力を持った学生や外国人留学生の専門性が十分に評価されず、企業もそうした人材を適切に採用できていないとの現状認識を明らかにしていた。
※留学生等を対象とする採用選考の取り組みも求める
上記と併せて就職問題懇談会では、昨今、国際的な人材獲得競争が展開される中、日本人の海外留学者や外国人留学生が就職活動で不利になるとの認識が生じないよう、こうした層を対象とする採用選考等の取り組みを各企業の必要に応じて行うなど、多様な選考機会の提供に努めるよう企業側に求める方針だ。
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