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2024-05-29 14:31:00

 

~認定日本語教育機関の課程区分で文科省が見解示す~

 

4月から始まった日本語教育機関の新たな認定制度で、「認定日本語教育機関」が設置する教育課程には、留学生を受入れて日本語教育を行う「留学課程」のほかに、就労を目的とする「就労課程」、生活のための「生活課程」の計3区分があり、それぞれの設置目的ごとに申請を受け付け、認定するとしている。

 

この内、「留学課程」の中で、就職希望の留学生らに対し就職を目的とする課程を置くことは可能とされているが、「留学」と「就労」の両課程のどちらに該当するのか微妙なケースも想定されることから、文部科学省では最近これに関する見解を改めて示した。

 

それによると、例えば卒業後に進学ではなく、日本で就職予定の留学生だけを受入れる場合でも、「就労」のための課程ではなく、「留学」のための課程を設置する必要があるという。この理由について文科省では、出入国在留管理法(入管法)の上陸基準省令を根拠に挙げている。

 

同省令においては、在留資格「留学」を得て日本へ入国する際の基準として、「当該教育機関が認定日本語教育機関である場合にあっては、留学のための課程において日本語教育を受けるものに限る」とする規定がある。つまり「就労」や「生活」のための課程で教育を受ける場合には、在留資格「留学」の対象外ということになる。

 

近年、日本語教育機関で学んだ留学生の中には、所定の課程を修了後に日本企業等へダイレクトに就職するケースも増えていて、既存の法務省告示日本語教育機関の中ではこうした留学生向けにビジネスコース等を設けていたところもある。新たな認定日本語教育機関の制度においては、専ら就職目的の日本語教育であったとしても、留学生を受入れる場合には必ず「留学」のための課程を置く必要があるとの見解が示された形だ。

 

★「本務等教員」の経過措置 告示校で283月まで延長

 

日本語教育機関認定法の施行に伴い、新たな制度へ移行した後も、法務省が告示する既存の日本語教育機関は当面5年間、在留資格「留学」の付与対象とされているが、同告示機関における専任教員数の要件についても、経過措置の継続が先月時点で決まっている。

 

法務省告示機関の告示基準においては、各機関の専任教員数を「2人以上」でかつ「生徒の定員40人につき1人以上」と定めていたが、コロナ禍等の影響を踏まえ、令和4年度から「定員60人につき1人以上」に緩和する経過措置を行ってきた。出入国在留管理庁では今年426日に告示基準の解釈指針を一部改定し、令和7年(2025年)331日まで現行の措置を延長するとともに、令和7年41日から同10年(2028年)331日までの間は「定員50人につき1人以上」を要件とすることを正式に盛り込んだ。同時にその割合については前期が「最低限配置すべき教員のうち3分の1以上」、後期が同「5分の2以上」としている。

 

なおここでいう「専任教員」は、特定の教育機関で授業を行うことを本務とする教員で、同時に複数校で専任教員となることはできない。新たな告示基準では「本務等教員」という名称に改められている。また新制度下における「認定日本語教育機関」の認定基準では、従来の告示基準における原則と同様、生徒の収容定員数40人につき1人以上の「本務等教員」を配置することと定めた。

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2024-05-28 16:06:00

 

今年3月の1か月間で、新たに「留学」の在留資格を得て日本へ入国した外国人の総数が27千人を超えたことがわかった(27627人)。新型コロナ対応の水際対策が最終局面にあった昨年同月(約21千人)よりも31%増えている。3月は新年度入りを目前に控えた時期に当たり、大半が日本語教育機関の4月期入学生とみられる。

 

出身国・地域別では中国大陸が8988人で最も多く、韓国(3066人)とベトナム(2615人)、ミャンマー(2182人)、台湾(1613人)、及び米国(1216人)を合わせた6か国・地域が千人を超えており、全体に占める漢字圏出身者の比率は51%に達している。他の国ではスリランカ(706人)、ネパール(633人)、フランス(564人)、モンゴル(489人)等も一定数に上る。香港は467人だった。

 

※今年第1四半期で31千人、昨年を6千人上回るペース

 

さらに、上記を含めた今年第1四半期(13月)における新規来日留学生数を累計でみると31362人となり、約25千人だった昨年同時期に比べ24%増、実数にして6千人強上回っている。出身国・地域別で最多の中国大陸が1万人に迫り(9813人)、全体の3割を超えるなど昨年来のハイペースを維持しているほか、これに続く韓国(3370人)、ベトナム(2805人)、ミャンマー(2305人)、さらには米国(1949人)、台湾(1727人)等の主要国・地域も、3月に新規入国者が相次いだことで、堅調な状況となっている。

 

一方で昨年の各種統計で実数の急増が確認されていたネパールは、今年に入って以降3月までの留学来日者が968人と低水準にとどまっている。昨年は入国ビザの発給遅れなどが原因で45月期から急増していて、今年も新年度以降の動きが注目される。これらのほか、スリランカ(791人)、フランス(649人)、インドネシア(550人)、モンゴル(514人)等の各国からも相当数が来日。香港は「中国香港」と「英国香港」の両旅券所持者を合わせると、のべ509人が留学生として新たに入国している。

 

1四半期の「留学」新規来日者数は、年間に当てはめると125千人ペースに相当する。昨年の同時期は今年を下回るペースで推移していたが、5月に政府が入国上の制限措置を完全撤廃して以降、下半期の来日者が急増し、年間では139574人に達した。2024年は水際対策等の変動要素が少ないこともあり、留学生の入国状況はコロナ禍前(年間約12万人)とほぼ同水準で、当面安定的に推移することが見込まれる。

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2024-05-24 11:07:00

 

JASSOが調査結果を公表 水際緩和で4年ぶり増加

 

日本学生支援機構(JASSO)が昨年5月時点で留学生受入れ機関を対象に行った在籍状況調査の結果が明らかになった。日本国内の教育機関に在籍する留学生数は対前年比2割増の279274人と、新型コロナが流行する前の2019年以来4年ぶりに対前年比でプラスに転じた。

 

JASSOのまとめによると、留学生の出身国・地域別では中国が115493人と全体の41%を占めた。中国出身者の比率はここ数年、高止まり傾向にある。一方、他の主要国・地域の中で急増したのがネパールとミャンマーで、ネパールは対前年比56%増の37878人と、ベトナム(36339人)を上回り、2位に浮上した。ミャンマーは同倍増の7773人で、韓国(14946人)に次ぎ上位5傑に入った。このほか、台湾(6998人)、スリランカ(6819人)、インドネシア(6552人)、バングラデシュ(5326人)も含めると、5千人超が計9か国・地域に上る。欧米諸国では米国(4076人)が最多だった。

 

在籍段階別でみると、大学(学部)が8362人、大学院が55539人、専修学校(専門課程)が46325人のほか、高等専門学校501人、短期大学1955人、準備教育課程3873人となっており、これら高等教育機関の中では大学(学部)の増加率が最も高かった。専修学校(専門課程)は1割減少した。一方で、特に対前年比の伸びが著しかったのが日本語教育機関で、同84%増の9719人と、コロナ禍前のピークである2018年(979人)を上回った。一昨年以降、新型コロナに対する水際対策が段階的に緩和され、V字型回復し始めた来日留学生の、最初の受け皿となっていることが数字上も表れた形だ。

 

留学生の専攻分野別では、人文科学が134310人と全留学生の半数近くを占め、以下、社会科学(57563人)、工学(35135人)、芸術(1万1560人)、保健(6073人)、理学(4640人)、農学(4057人)の順となっている。

 

都道府県別(学校所在地)の在籍留学生数では、東京都(10197人)を筆頭に、大阪府(28324人)、京都府(17743人)、福岡県(16971人)、兵庫県(13080人)、愛知県(12463人)の123県が、1万人以上を擁する。首都圏では東京都のほか、千葉県(8649人)、埼玉県(8593人)、神奈川県(8117人)も相当数に上る。

 

※留学生受入れ数の多い大学は?

 

JASSO調査では、昨年51日時点で主要大学に在籍していた留学生の数も明らかになった。全国最多の留学生受入れ校は前年度、東京大学だったが、23年は5560人の早稲田大学が逆転し、再び首位となった。2位の東京大学(4658人)を始め、総数上位10校の内、国立大学が京都大学(2844人)、大阪大学(2712人)、九州大学(2526人)、筑波大学(2342人)を含めて半数を占める。

 

私立大学で総数10傑入りしているのは、早稲田大学のほか、立命館大学(3027人)、立命館アジア太平洋大学(2662人)、日本経済大学(2334人)、慶應義塾大学(2146人)の5大学。このほか、東洋大学(1712人)、日本大学(1708人)、京都情報大学院大学(1688人)、東京福祉大学(1669人)、東海大学(1610人)、明治大学(1568人)などが多い。さらに上智大学(1516人)、東京国際大学(1395人)、拓殖大学(1356人)、同志社大学(1246人)、関西大学(1228人)など、全体の上位30傑以内にランクインした私立大学は19大学に上っている。

 

24年度も在籍数は増加の見通し

なお本調査はほぼ1年前の昨年51日時点における統計であり、同月中に新型コロナに対する政府の水際対策がほぼ解除されている。その後も新規入国する留学生数は順調に推移していて、出入国在留管理庁がまとめた昨年末時点の在留外国人統計によると、在留資格「留学」をもつ外国人の総数は34883人と、ほぼコロナ禍前の水準に戻っている。23年中に「留学」の在留資格を取得し新規で来日した外国人の数も139574人と、2年連続でコロナ禍前3年間における新規入国者数の平均値(201719年、各約12万人)を上回った。本格的な回復期に入った各教育機関における留学生数は、2024年度も引き続き増勢が続くとみられる。

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2024-05-22 11:17:00

 

 

「育成就労制度」の創設や永住許可の取消し要件追加等を定めた出入国管理及び難民認定法(入管法)の改正案が521日の衆議院本会議で可決された。法案には自民・公明両党のほか、日本維新の会、国民民主党等が賛成し、立憲民主党、共産党、れいわ新選組が反対した。

 

育成就労制度は現行の技能実習制度に代わり人材確保を狙いに導入されるもので、改正案では▶人材不足の地域で必要な人材を確保するため、大都市圏に就労者が過度に集中しないよう必要な措置を講じる、▶人権と労働環境に十分配慮しつつ、監理支援機関・育成就労機構等との連携を強化する、といった方針が謳われている。

 

一方、改正案には、永住外国人向けの在留管理強化に係る新たな規定が盛り込まれた。入管法第22条には在留資格の取消しに関する条文があるが、ここに新たに「永住者の在留資格をもって在留する者」の規定を追加。▶故意に「公租公課」(税金・社会保険料等)の支払いをしない、▶刑法罪や窃盗罪、自動車運転で死傷事故を起こす等で拘禁刑に処される、等の場合も取消し対象とした。

上記に該当する場合、法務大臣は該当者に対して職権により、他の在留資格への変更を許可することができると定めていて、「定住」等への変更を視野に入れているとみられる。

 

ただ同規定に対しては永住者の人権を侵害するとの指摘も出たことから、法案の修正協議で、永住取消しにあたっては外国人の適正な在留を確保するため現在の生活状況等に十分配慮するものとする附則が盛り込まれた。

 

出入国在留管理庁によれば、在留資格「永住」をもつ外国人は昨年12月末時点で891569人に上り、すべての在留資格の中で最も多い。国籍別(概数)では中国が33万人、フィリピンが139千人、ブラジル115千人、ネパール55千人等となっている。

 

入管法改正案は今後、参議院に舞台を移し審議される。

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2024-05-17 15:03:00

 

今年4月中に日本を訪れた「訪日外客数」が、コロナ禍前の2019年同月比で4%増の3042900人に上ったことが日本政府観光局(JNTO)のまとめで分かった。300万人超えは3月に続き、2か月連続となる。JNTOでは、東南アジアや中東地域等におけるイスラム教の断食明けで海外旅行需要が高まったことや、日本の桜シーズンに合わせ訪日客が増加したことが背景にあるとみている。同時期に外国為替市場で急激に進んだ円安ドル高傾向も、インバウンドの増加を後押しした形だ。

 

来日者の出身国・地域別では韓国が661200人で最も多く、中国大陸(533600人)、台湾(459700人)、米国(228900人)、香港(184500人)、タイ(142500人)等、6か国・地域が10万人を超えている。

 

「訪日外客数」は外国人の正規入国者から、永住者など日本を主たる居住国とする外国人を除外し、これに外国人の一時上陸客等を加えた「入国外国人旅行者」の数を指す。この中には、留学生等の新規入国者のほか、再入国者も含まれている。

 

4月の新規入国者282万人、前月比10万人増の中国が牽引

 

一方、出入国在留管理庁によれば、4月の1か月間に新規で来日した外国人は2826651人で、前月(約283万人)とほぼ同水準だった。来日者の出身国・地域別では、韓国(6514人)を筆頭に、台湾(435363人)、中国大陸(415789人)、米国(224417人)、香港(174045人)、タイ(141127人)等が多い。ベトナムは42526人、ネパールは15648人だった。

 

この内、中国大陸は前月(約319千人)から10万人近く急増し、主要国・地域の中では唯一増勢が著しかった。コロナ禍における水際対策が昨年5月に事実上終了した後も、留学等の中長期在留者を除けば中国大陸からの来日者数は伸び悩んでいたが、ここにきて回復傾向が鮮明となっている。

なお、上記の数は新規入国者で、全ての在留資格者を含む速報値。

 

★新規旅券申請の「オンライン完結」へ法令整備

 

政府は昨年3月に開始した旅券(パスポート)のオンライン申請について、新規旅券の申請もデジタル上の手続きで完結できるよう法整備を進める。今年度中には、新規申請に必要な戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)が旅券申請とシステム連携される見通し。申請に際しての手数料は各都道府県において近く標準額が改定されるが、デジタル化を促進する観点から、窓口での書面申請とオンライン申請との間で手数料の差別化を行う方向だ。外務省はこれらの施行を見据え、このほど旅券法施行令の一部を改正する政令案をとりまとめた。

 

現在、旅券の更新(切替申請)手続きに関しては、マイナンバーカードを所持するなど所定の要件を満たす場合、マイナポータルを利用した電子申請が可能で、窓口に行くのは旅券の受取時のみで済む。ただ新規で旅券を申請する場合には、市区町村役場等で事前に戸籍謄本の取得が必要となっている。

 

昨年6月に岸田文雄政権が閣議決定した「デジタル社会の実現に向けた重点計画」では、国・地方に対し個人が行う申請や届出等をスマートフォンから簡単に完結できるようにすることや、オンライン申請の利用拡大を一層進めていくための措置を講じる方針を明記。法務省が構築する戸籍情報連携システムで提供される「戸籍電子証明書」の活用により、紙の戸籍謄本貼付を省略する方向性が謳われていた。

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