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2024-04-15 13:55:00

 

~認定に際しての確認事項で「相当程度高額でない」の中身が焦点に~

 

日本語教育機関認定法の施行により日本語教育機関の新制度が本格的なスタートを切る中、制度全般に関する具体的なルールや審査方針は、今後、認定日本語教育機関の申請を予定している各機関にとって対応を要する課題となる。

 

各機関が生徒募集や入学手続きのサポート等を行う第三者に対して支払う、いわゆる仲介手数料のあり方も焦点の一つだ。認定日本語教育機関の施行規則では、財務に関する評価項目の中に仲介手数料の適正性も含まれており、もし仲介業者等を活用しているにも関わらず、後日各機関が行う点検・評価項目に含めていない場合には、国による指導等の対象になる恐れがあるという。

 

一方で41日に日本語教育部会が正式決定した「認定日本語教育機関の認定等にあたり確認すべき事項」では、「安定かつ継続して質の高い日本語教育課程を実施する観点から、生徒一人当たりについて支払う仲介手数料の額が、「日本語教育機関が生徒から徴収する授業料等の額と比較して、相当程度高額でないこと」を求めているが、その基準は曖昧なままとなっている。同案をまとめた文化庁は昨年度末の時点で「高額」に関する明確な基準はないとした上で、「(各機関からの)個別の申請内容により、設定された授業料等の納入金の額や、教育活動に要する費用等を総合的に勘案して(適正性を)判断することになる」との見解を示している。

 

★日米が日本語・日本文化専門家を増やす枠組みで合意

 

日米両国は、米国における日本語や日本文化の専門家を増加させるための新たな枠組みで合意した。411日、相航一・在米日本大使館特命全権大使とリー・A・サターフィールド米国務次官補が、教育・文化交流機会創出のための協力覚書に署名を行った。

 

外務省によれば双方は今後、現行の交流訪問者ビザプログラムのスキームにより、米国の教育現場で日本語指導助手として活躍する若者への支援を強化する。日本語授業において日本語教師を補佐する日本語指導助手に対し研修機会を提供する団体を拡大するほか、事業参加者の滞在期間を最長36か月間まで延長(当初は1年ビザ、最大24か月延長)すること等が柱となる。

協力覚書によれば、米側の主体となる国務省が、交流プログラムに申請可能とした対象には、日本の政府機関から事前に資金援助を受ける候補者等のほか、「登録日本語教員」も含まれるとしている。

 

日米双方は昨年10月に行われた政策対話において、米国における日本語教育の振興の重要性を確認するとともに、将来的な日本語教師の増加を目指すことで合意していた。

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2024-04-10 11:09:00

 

~「在籍管理が適正に行われない大学等に対する指導指針」を月内決定へ~

 

文部科学省はこのほど全国の国公私立大学長と高等専門学校長向けに、「外国人留学生の適切な受入れ及び在籍管理の徹底等について」の通知を発出した。今月中にも在籍管理が適正に行われない大学等に対する指導体制が強化されるのを前に、改めて基本方針の周知を行った形だ。

 

今回の通知では、昨年決定した令和6年度大学入学者選抜実施要項で留学生の入学者選抜に際し「真に修学を目的とし、その目的を達成するための十分な能力・意欲・適性等を有しているかを適切に判定する」よう求めていたことに言及した上で、①日本語等の必要な能力基準の明確化、②日本留学試験の積極活用と渡日前入学許可の実施、③受入れた留学生に対する適切な在籍管理の徹底、等を改めて要請している。

 

この内①については、日本語で授業を行う場合の目安として「日本語能力試験N2レベル相当以上」を明記。③では学業成績と資格外活動(アルバイト)の状況を的確に把握するとともに、退学者の処分に際しては大学等が責任をもって帰国や進学・就職の指導を行うことを求めている。また学生数の確保という観点からの安易な留学生受入れは厳に慎み、受入れ数が教育体制の現状に見合わない過大な数とならないよう改めて注意を喚起した。

 

一方、大学等が運営する留学生別科が、日本語能力N2レベル相当以上に達していない留学生向けに専ら日本語教育を行う場合、今年度以降は日本語教育機関認定法に基づく「留学」課程の認定を文科省から得ることが原則として求められるが(注:当面は移行期間あり)、交換留学生や国費留学生のみを対象とする場合のように同認定を要さないケースでも、「日本語教育機関認定基準等を参考にし、適切な教育環境を確保すること」が望ましいとした。

 

また同様に、日本語能力N2レベル相当以上に達していない研究生や聴講生、科目等履修生等のいわゆる非正規生を対象に、専ら日本語教育を行おうとする場合には、日本語教育機関認定法に基づく認定を受けた教育機関以外、原則として入学のための在留資格を付与しない方向で、近く出入国在留管理庁が制度改正を予定しているが、文科省通知ではこれにも触れている。

 

上記のほか通知では、▶留学生の卒業後等における在留資格手続きや所在不明者の届け出、▶退学者・除籍者・所在不明者に関する翌月10日までの定期報告、についても引き続き各大学等の対応を求めた。

 

文科省では月内にも「外国人留学生の在籍管理が適正に行われない大学等に対する指導指針」を決定する予定で、各大学等の毎年度における留学生の退学・除籍・所在不明者の割合をもとに、対象大学に対して指導を行う方針だ。同省が先月まとめた指導指針案によれば、在籍留学生の内、同割合が5%を超える大学等に改善指導を行い、非適正な状態が3年連続した場合には「在籍管理非適正校」として指定・公表するとともに、出入国在留管理庁に報告するとしている。

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2024-04-09 14:07:00

 

2023年末現在の「在留外国人数」統計から読み解く~

 

出入国在留管理庁が先に公表した在留外国人統計によれば、2023年末時点で「留学」の在留資格を得て日本に在留する外国人は34883人で、この内ほぼ4割(134651人)を中国出身者が占めた。他の在留資格所持者を含めた在日外国人全体においても、中国出身者の数は821838人と、これに次ぐベトナム(565026人)や韓国(41156人)の出身者を大きく引き離し、出身国・地域別で最多となっている。来日外国人の日本における在留目的が多様化する中、「留学」以外の在留資格をもつ中国出身者の状況はどのように推移しているのか。過去の状況を含め、最新の概況を整理する。

 

1)在留者の4割占める「永住者」が33万人

 

日本に在留する中国出身者の内、在留資格別比率が4割と最も高いのは「永住者」であり、その数は33810人に上る。全ての国・地域を含めた「永住者」全体(891569人)の内訳をみても、中国出身者の割合は37%と群を抜く。「永住者」はもともと「留学」や「家族滞在」等、他の在留資格で来日後、就労等を目的とする在留資格に変更するなどして長期間にわたり日本に在留し、日本国内に生活の拠点を持つ人が大多数に上る。中国出身「永住者」はすでに10年前(2013年末)の時点で20万人に達しており、新型コロナが拡大する直前の2019年末には27万人、さらに22年末には30万人を突破。昨年末時点の数は、前年(2022年末)よりもさらに約26千人増えている。

一方で、日本政府は最近、「永住者」の内、納税や社会保険料納付等の義務を果たしていない在留者について、永住許可の取り消しを含めた措置を検討する方針を示した。中国出身者に限らず、今後はこうした該当者への対応強化が見込まれる。同措置と並行して、新たな永住許可申請に対する入管庁の審査がどのように変化するかも、当面の焦点となる。

 

2)「技・人・国」では4分の1占めるもベトナムが先行

 

中国出身の在留資格所持者の内、「永住者」と「留学」に次いで実数が多いのが、「技術・人文知識・国際業務」だ。簡略化して「技・人・国」とも呼ばれる同資格は、主に日本での就労を目的とするものであり、留学生が日本の大学や専門学校を卒業後に日本企業等で就職する際の主要な在留資格となっている。近年、日本企業のグローバル採用拡大などを受け、「留学」から就労目的の在留資格へと変更する中国出身者は単年度で1万人を超えていて、「技・人・国」の在留資格を持つ外国人の数も、コロナ禍の一時期を除けば、順調に増え続けている。その主要な担い手となっているのが「留学」からの移行組であり、昨年末時点で在留資格「技術・人文知識・国際業務」をもつ中国出身者の数は92141人に上った。この数は同資格所持者全体の4分の1に相当する規模だが、出身国別内訳では今回初めて、ベトナム(93391人)が中国をわずかに上回っている。

背景には、世界的な経済構造の再編に伴い日本企業の主要な展開地域が東南アジア等へとシフトしていることや、一人っ子世代が占める中国出身者のキャリアプランの変化、さらには為替の急激な円安傾向もあるとみられる。なお、昨年末時点の内訳は現時点で不明だが、日本での企業経営等を目的とする在留資格「経営・管理(全国籍者で37510人)」も、中国出身者が多数に上る見通しだ。

 

3)「技能実習」と「特定技能」では薄い存在感

 

さらに前出の就労目的をより広い範囲で見た場合、「技能実習」と「特定技能」も同じカテゴリーに含まれ得る。中国出身者でみると「技能実習」は28860人、「特定技能(1号・2号)」は13468人が、それぞれ在留資格を持ち日本に在留している。ただ規模でみると「技能実習」は10年前(約107千人)の4分の1程度の水準で、全体(約404千人)に占める中国出身者の比率は7%となっていて、出身国別最多であるベトナム(約203千人)の1割強にすぎない。また「特定技能」においても最多のベトナム(約11万人)との対比では圧倒的に少なく、出身国別ではインドネシアやフィリピンを下回る4番目となっている。日本政府は現行の技能実習制度を廃止し、人材確保を主眼とする「育成就労制度」を創設することを先に決定したが、経済構造が大きく変化する中、中国に関しては新制度においてどの程度の来日希望者が見込めるのか、先行きは不透明だ。

 

⑷「家族滞在」「日本人の配偶者」とも出身国別で最多

 

一方で、中国出身の在留者の数が相当数に上っているのが、親族に関わる在留資格である「家族滞在」と「日本人の配偶者等」だ。まず「家族滞在」は出身国別で2位のベトナム(52523人)や3位のネパール(5382人)を上回り、中国が76131人で最も多い。元来、3か国とも「留学」や「技・人・国」による在留者が多い国でもあり、現に「家族滞在」自体、留学生の本国における配偶者と子女が来日するための在留資格だ。また「日本人の配偶者等」は中国(26426人)とフィリピン(26201人)が双璧で、両国は日本人の国際結婚における相手方の主要な出身国となっている。中国出身者では、このほかに在留資格「定住者」が29615人いる。

 

5)「特定活動」滞在者も一定規模に

 

なお全体の中ではごく少数だが、「特定活動」の在留資格を得て日本に在留している中国出身者も9942人に上っている。一口に「特定活動」といっても、入管庁がその範疇に含めている在留目的は非常に広い。例えば留学生が卒業後も引き続き就職活動を行う「継続就職活動」や、在学中及び卒業後から採用までの滞在期間に在留するための「内定待機者」向け、さらには高度な日本語力を運用する業務に従事するための通称「特定活動46号」まで、多種多様だ。今後、来日者の多国籍化と在留目的のさらなる多様化が進めば、既存の在留資格区分では収まらないこうした在留スキームによる在留者が、より増えることも想定される。

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2024-04-05 14:06:00

 

202312月に国内外で行われた日本語能力試験(JLPT)について、実施元の日本国際教育支援協会と国際交流基金は、このほど全体的な実施結果をまとめ公表した。受験者数は日本国内が236547人、海外が426748人の計663295人で、前年同時期(2212月)試験との比較で5割強増えている。最終的な認定者数は235754人だった。

 

受験レベル別では最も難易度が高いN1の受験者が121554人で、認定者は37553人、認定率30.9%となっている。N2は受験者数164670人に対し、認定者数63807人で認定率38.7%。どちらも認定率では海外受験者が国内受験者を上回る状況に従前と変化はないが、今試験では国内外のギャップが縮小し、特にN2では国内受験者の認定率が前年同時期を7ポイント上回った。

 

総合得点の平均点はN190.1点、N288.1点で、いずれも最高点は満点(180点)だった。認定者数をみると、前年同時期試験との単純比較でN1は約12千人、N2は約31千人増えており、とりわけN2の認定者はほぼ倍増しているのが特筆される。

 

※中国内の受験者129千人、8割がN2以上を受験

 

全受験者数の6割強を占める海外の実施国・地域別状況を見ると、受験者数が群を抜いて多かったのは中国で、香港・マカオを含めた累計で129103人に上った。実施都市別では南部の広東省広州(13952人)が引き続き最多で、上海(12322人)も1万人を超える。さらに遼寧省大連(8434人)、香港(6690人)、北京(6312人)、陝西省西安(5728人)、浙江省杭州(5166人)の5都市を含めた計7都市が、受験者数5千人超となっている。受験レベルでは中国内受験者の内37%がN147751人)を受験しており、N2受験者(55148人)も含めると10万人を超える状況で、中国内受験者のほぼ8割に及ぶ。

 

海外の実施国・地域別で、受験者数が中国に次いで多いのはミャンマー(86406人)だが、N4受験者が過半数(46599人)で、N1N2を合わせた受験者数は6%程度(5491人)にとどまっている。なお最大都市ヤンゴンは、世界のJLPT実施都市の中で今回受験者数が最も多かった(68586人)。

 

また日本への留学希望者が比較的多い韓国(38359人)、台湾(34376人)、ベトナム(28562人)なども受験者数が一定規模に上っている。特に韓国のソウル(18874人)や台湾の台北(16188人)は、都市別受験者数では中国の広州、上海を上回る。ベトナムは二大都市のホーチミン(12982人)とハノイ(12220人)の受験者数が、ほぼ同水準だった。

これらのほかに国・地域ベースで受験者数が1万人を超えていたのは、インドネシア(16468人)、タイ(15683人)、インド(14464人)の3か国。

 

なおアジア地域以外でJLPT受験者数が比較的多かったのは米国(5533人)で、欧州地域ではフランス、イタリア、ロシアが各1千人超となっている。

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2024-04-04 14:05:00

 

~文科省「令和5年度外国人留学生キャリア形成促進プログラム」の適用対象~

 

329日に最初の認定校が決まった文部科学省の「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」について、いわゆる「継続就職活動」者も対象となることが確認された。同プログラムは、留学生に対し質の高い教育を行っているとして文部科学大臣が認定した専門学校の卒業留学生について、就労目的の在留資格申請に際し従来求められてきた学校での専攻内容と就職先での業務内容との関連性が、大卒者同様、柔軟に判断されるようになる。

 

プログラムの初年度となる令和5年度(2023年度)は、申請があった全国の専門学校から186474学科が正式に認定された。ただ認定校の発表が年度末となったため、同年度の就職活動はすでに終了しており、新卒留学生に関しては、在籍学校が認定校となった場合に就活上の恩恵にあずかれるのは同6年度以降となる。

 

ただ令和5年度卒の留学生で、在学中に就職先が決まらず、学校の推薦状により出入国在留管理庁から継続就職活動を目的とする「特定活動」への在留資格変更を認められ、就活を継続している元留学生も一定数に上るとみられる。文部科学省専修学校教育振興室の関係者は『留学生新聞』の取材に対し、継続就活中の元留学生が令和5年度に卒業した専門学校が、同年度の「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」認定校である場合には、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の申請時に在留資格要件が同様に緩和される対象になると述べた。

 

なお認定校・学科に対しては3年に1度、基準の充足状況を確認するためのフォローアップが行われる予定だが、この間に認定校を卒業した留学生には同様の扱いが適用される。

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