インフォメーション
令和6年の1年間で、留学生が出入国在留管理庁から「留学」の在留資格を取消された事案が、前年度より大幅に増え312件に上ったことが分かった。前年(令和5年)は183件にとどまっていて、7割強の増加となる。令和2年時点で524件あった留学生の在留資格取消は、コロナ禍の長期化後いったんは157件まで減少していたが、再び反転増に転じた形だ。該当者を出身国・地域別にみるとベトナムが212件で最も多く、ウズベキスタン(25件)、ネパール(23件)など最近入国者が急増している国も一定数に上る。中国大陸は12件だった。
出入国在留管理法(入管法)では在留資格取消しに関する規定を定めていて、①正当な理由なく在留資格に応じた活動を3か月以上行わず在留している、②正当な理由なく在留資格に応じた活動を3か月以上行わず、かつ本来の活動とはほかの活動を行い(行おうとして)在留している、等が取消対象となる。留学生の場合は学校を除籍後に3か月以上、在留やアルバイトを続けているケースが多い。入管庁によると、令和6年は①が148件、②が163件あった。
なお、同時期に日本に在留中の留学生は約40万2千人で、留学生在籍者全体に占める在留資格取消対象者の比率は僅か0.1%にすぎない。ただ再び増加傾向にあることから、在籍上のルールや、資格外活動許可は本分である学業の継続が前提であることを、改めて新年度のオリエンテーション等の場で徹底することが求められる。
また令和6年中に入管法違反による退去強制手続き又は出国命令手続きがとられた者の内、在留資格「留学」は前年比で17件増え800件だった。
※「留学」からの不法残留者は2千人台で推移
一方、出入国在留管理庁のまとめによれば、今年1月1日時点における不法残留者の内、不法残留となった時点の在留資格が「留学(一部「就学」も含む)」だった者の数は2245人で、前年より43人減少した。コロナ禍の影響等もあり大幅に減った令和4年以降、常時2千人台で推移している。該当者の出身国・地域別では中国大陸(822人)、ベトナム(801人)、スリランカ(128人)、韓国(113人)の順となっている。
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日本企業等での就労を目的とする在留資格「技術・人文知識・国際業務」をもつ外国人が、2024年末時点で史上最高の41万8706人に上ったことが、出入国在留管理庁のまとめで分かった。前年度末との比較では実数で約5万6千人(15%)増えており、コロナ禍の影響により前年比マイナスに転じた3年前(2021年末)時点と比べると5割増(約14万3千人増)の水準となる。国内の人手不足と企業活動のグローバル化、中でもインバウンド需要や高齢化社会に対応した人材ニーズの高まりが急増の背景にあるとみられる。
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格者を出身国・地域別にみると、前年に続きベトナムが最多で10万8334人だった。この数にほぼ匹敵するのが中国大陸(10万3622人)で、両国出身者を合わせると全体の半数を超える。最近、留学在留者が急増中のネパールは4万489人で3番手。さらに韓国(2万6180人)、スリランカ(1万6163人)、台湾(1万5513人)、ミャンマー(1万4000人)、インド(1万3619人)、フィリピン(1万552人)等が続く。
主要国・地域の内、前年比で増勢が著しいのはミャンマー(+33%)、スリランカ(+32%)、ネパール(+23%)であり、ベトナム、中国大陸、台湾、インドは各1割台の増加にとどまる。1万人以下の国ではインドネシアも同25%増の8371人まで上積みしており、全般的に南アジア・東南アジア地域の伸びが際立つ。欧米諸国の出身者では、米国が4%増の8764人で上位に入っている。
「技術・人文知識・国際業務」は、留学生が日本の大学や専門学校等を卒業後、就職する際の主要な在留資格だ。同じ昨年末時点における在留資格「留学」所持者も、既報の通り40万2134人と過去最高の数になっていて、くしくもダブルの「40万人超え」となった。
※「特定技能」の伸び顕著、「介護」は1万人突破
一方、「技術・人文知識・国際業務」以外の就労を目的とする在留資格の所持者数は、「特定技能」が前年比36%増の28万4466人いるほか、近く廃止と「育成就労」への移行が決まっている「技能実習」は45万6595人。このほか「経営・管理」は1割増の4万1615人、「高度専門職」は2割増の2万8708人、「企業内転勤」は1割増の1万8375人、「教育」が5%増え1万4929人等となっている。大学等の教員向け在留資格である「教授」は3%増の7488人だった。
なお、昨今、国内人材の確保が急務の「介護」は、前年比31%増、直近2年間でほぼ倍増し1万人を突破した(1万2227人)。「介護」の在留資格が新設後間もない2019年時点で該当者は592人であり、5年間で20倍規模となった形だ。
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日本国内に在留する在留資格「留学」の所持者が、2024年末時点で40万人を突破したことが、出入国在留管理庁のまとめで分かった(40万2134人)。コロナ禍前の2019年末時点を上回り、史上最高の数となる。前年の2023年末からわずか1年間で約6万1千人増えていて、総数ベースでは日本政府が掲げる2033年までの留学生の受入れ目標に9年早く到達したことになる。直近の3年間に日本語教育機関への新規入学者数が急増しており、昨年も入国者ベースで最高水準にあることが寄与したとみられる。
入管庁によると留学在留者の出身国・地域別内訳では、最多の中国(大陸)が前年比5%増の14万1496人で全体の35%を占めた。次点のネパールは前年から一挙に3万人近く増え8万5431人と、特に実数の伸びが目覚ましかった。またベトナムは同7%増の4万6367人で3番手を堅持。これに前年からほぼ倍増のミャンマーが2万3290人で続き、スリランカ(1万5269人)、韓国(1万4398人)、バングラデシュ(1万315人)も含めた計7か国が1万人超となっている。韓国は前年の数をわずかに割り込み、同5割増のスリランカに逆転された。台湾は同6%増の8655人で、このほかインドネシア(7783人)、米国(4516人)、タイ(4065人)等も一定数に上る。
留学在留者の所在地(都道府県)別では、東京都(13万3431人)を筆頭に、大阪府(4万3803人)、福岡県(2万3948人)、埼玉県(2万1490人)、千葉県(2万971人)、京都府(2万141人)、神奈川県(1万9043人)、愛知県(1万6698人)、兵庫県(1万6656人)の9都府県が単独で1万人以上となっている。ほかに、北海道、宮城県、茨城県、静岡県、広島県が各5千人以上を擁する。
★JLPT海外受験者 休憩含め携帯使用を禁止
日本語能力試験(JLPT)の海外受験者について、世界各国・地域での実施を司る国際交流基金は今年7月の試験より、試験当日の休憩時間中も含めて、試験終了まで携帯電話やスマートウォッチ、通信機能を有する機器等の使用を全て不可とする方針を決めた。受験者は試験が終了するまで、携帯電話等の電源を常時OFFにしておくことが求められる。もし休憩時間中に携帯電話等の電源がONになっている場合は不正行為とみなされ、該当者の成績は全科目無効の扱いとなるため注意を要する。
併せて、カンニング、代理試験等のあらゆる不正行為や、問題・解答用紙の持ち出しに加え、これら内容・解答等をインターネット及びその他の方法で公開することも禁止。これら不正行為を行った人や、得点の正当性に疑問があると判断された人には、成績無効、試験結果の不通知に加え、将来に渡りJLPTの受験を禁ずる可能性もあると警告を発している。
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2025年第1回目となる日本語能力試験(JLPT)の申込受付が、来週3月18日より開始される。受付期間は4月8日までとなる。受験を予定している人は申込手続きを忘れないよう注意が必要だ。
JLPTは2025年の試験から変更事項があり、受験レベルによって試験の入室・開始時間が分かれる。24年までは日本国内会場の全てのレベルで同じ時間帯に試験を行っていたが、今年からは午前(試験開始時間9時10分)にN1とN2を、午後(試験開始時間15時10分)にN3、N4、N5を、それぞれ実施する形へと変わる。
また例年同様、会場の借用状況しだいでは当初の予定会場が使用できなくなったり、受験者が希望する都道府県以外の試験会場となる可能性もある。使用不能の場合は実施元で会場の振替を検討し、振替受験ができない場合は受験料を返金するとしている。
※中国会場でも受験レベルにより試験時間を区分
一方、海外の試験会場では例年最大規模の受験者数を擁する中国(大陸)でも、N1とN2の試験を午前(試験開始時間9時)に、N3、N4、N5の試験を午後(試験開始時間14時30分)に分けて行う形となる。ただ申込受付期間は3月18日7時から同24日14時までと日本国内より短い。申込に際しては事前に個人情報の登録が必要で、この受付は3月11日よりすでに始まっている。
日本国内・海外ともに、2025年第1回JLPTの試験日は7月6日(日)となる。
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~訪問介護等の業務で新たに就労が可能に~
政府は3月11日、外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議を開催し、在留資格「特定技能」に関する当面の運用方針を閣議決定した。国内で深刻化する人手不足の現状を踏まえ、就労が可能な領域を一部見直すとともに、原則として5年ごとに示す受入れ見込み数を事実上の上限数として運用することも明記した。併せて、必要に応じた受入れの停止・再開や、大都市圏に人材が過度に集中しないような配慮、及び特定技能外国人の公租公課未払いを防ぐための受入れ機関と所轄省庁による連携も求めている。運営にあたっては、生産性の向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお人材確保が困難な分野に対象を限定する原則を再度強調しており、国内で強まっている急激な受入れ拡大への懸念を払拭する狙いもあるとみられる。
一方で特定産業分野の中でも特に人手不足が深刻な分野においては、これまで特定技能外国人の従事が認められていなかった領域に就労範囲を拡大する方針が盛り込まれた。留学生が日本での勉学を修了後、在留資格を「特定技能1号」に変更するケースもあることから、関係者は運用方針の変更に留意する必要がある。
分野別運用方針の改正案によると、まず介護分野において、かねてより検討されていた訪問系サービスで特定技能外国人の従事を認めることとした。これまでは1対1でサービスを提供する業務内容の特殊性から対象外とされてきたが、厚生労働省の検討会が昨年6月に行った中間報告で、一定の条件下で従事を認めるべきと提言。今回の改正案では、介護職員初任者研修課程等を修了し、介護事業所等での実務経験が1年以上の特定技能外国人について、訪問介護等の業務を認めるとした上で、一定期間は責任者が同行することやキャリアアップ計画の作成を求めている。
また外食業分野では、風営法の許可を受けた旅館・ホテルにおける飲食提供全般について、新たに特定技能外国人の就労を可能とする方針が打ち出された。農林水産省によれば、同分野には多様な形態が存在し、旅館やホテルでは全体として風営法の許可を受ける事業所もあり、安全な労働環境を確保する観点から、これらは従来、特定技能において一律で就労不可とされてきた。結果として特定技能外国人が、宿泊施設の飲食物部門において飲食物調理等に就労できない状況が生じているという。
片や宿泊分野においては、風営法の許可を受けた旅館やホテルでの就労がすでに可能で、これまで特に問題が生じた事例はないため、今回業界団体からの要望も踏まえ、外食業分野でも就労範囲の拡大案が示された形だ。ただこの変更については、有識者会議で制度濫用への懸念の声や、いわゆる「接待」をさせないための厳格な対応を求める声が上がっていて、分野別運用方針には接待防止の「確実な履行を図るため、必要な措置を講じる」と追記された。
なお、特定技能制度で受入れる外国人の日本語力に関しては、「特定技能1号」が日本語教育参照枠でA2相当以上、「特定技能2号」が同B1相当以上を基本に、業務上必要な日本語力を各分野別の試験で確認すると改めて規定。求める要件について、分野ごとの実情に応じた上乗せも可能としている。
「特定技能1号」から「2号」への在留資格変更に必要な試験で不合格となった場合は、一定の要件下、最長1年の在留継続が認められる。「1号」の滞在期間は上限5年だが、例外事項として、妊娠・出産等に係る期間はこの通算期間に含めないこととされた。
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