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~受入れ・送り出しの両面を視野 教育未来創造会議で来春までに具体策~
岸田文雄首相は29日、留学生受入れ戦略の柱となってきた「留学生30万人計画」について、見直しに向けた具体策の検討を永岡桂子文部科学大臣に指示した。
内閣官房の関係筋によれば、この中で岸田首相は「コロナ後のグローバル社会を見据えた人への投資具体化に向け、現在の留学生30万人計画を抜本的に見直し、留学生受入れだけでなく送り出しを加えた、新たな留学生受入れ・送り出し計画を策定すること」を求めたという。
同時に首相は、「留学生の卒業後の活躍に向けた環境整備と、教育の国際化の促進」について、教育未来創造会議で具体策をとりまとめるよう指示した。とりまとめのスケジュールについては、G7サミットの開催を見据え、来春までを目途とする。
外国人留学生の受入れに関して、政府は2008年に当時の福田康夫内閣が打ち出した「留学生30万人計画」に基づき、受入れ拡大を推進した結果、留学生数は2019年に31万2千人といったんは目標を達成した。だがその後、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、来日者数が激減したことで再び大台を割り込み、直近の昨年5月時点では24万2千人まで減少している。文部科学省では先に発表した「高等教育を軸としたグローバル政策の方向性」において、5年後の2027年を目途に、受入れ留学生数を「少なくともコロナ禍前の水準に回復」させると謳った。
内閣官房の関係筋は30日、『留学生新聞』の取材に対し、今回の首相指示では留学生の新たな受入れの数値目標などには言及しておらず、具体的な中身は今後、関係閣僚や有識者を交えた同会議において議論が進められるとの見通しを語った。
★アフガン人133名を難民認定~昨年8月からの1年間
葉梨康弘法務大臣は26日の会見で、昨年8月から今年8月20日までの間に、日本への退避を希望するアフガニスタン人の内、133名を難民と正式に認定したことを明らかにした。アフガン難民をめぐっては直近の3週間で、大使館関係者など98名が認定されたとの情報があり、日本政府が短期間の内に特定国からこれだけ多くの難民認定を行うことは極めて異例といえる。
葉梨大臣は昨年8月以降に「申請を受け付けたのが143人」だったとした上で、「最新のアフガニスタン情勢を踏まえると、難民認定申請がなされた場合には、難民と認定すべき者は適切に認定していかなければならない」と述べた。
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~出身国(地域)別内訳が判明 ネパール2万人、ベトナム1万人が続く~
今年上半期(1-6月)の半年間で、新たに来日した外国人留学生(10万5032人)の内、中国出身者が約3万5千人(3万4499人)に上り、全体の32.8%を占めたことがわかった。中国に、ネパール(2万1270人)、ベトナム(1万850人)の両出身者を合わせた3か国の比率では6割を、さらに韓国(6563人)も加えると7割近くに達する形となっている。
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、政府は一昨年から2年近くに渡って行ってきた新規留学生らに対する入国制限を今年3月に緩和した。「解禁」当初は、待機留学生の来日が相次いだこともあり、来日者の出身国籍は世界各地に分散化する傾向もみられたが、入国ラッシュを迎えた4、5月以降は、もともと留学生在籍数が多かった国・地域からの入国が急増している。
主要4か国以外で、今年上半期の留学来日者数が多かった国・地域は、インドネシア(2734人)、台湾(2706人)、スリランカ(2626人)、バングラデシュ(2536人)、ミャンマー(2523人)など。これらの他に千名以上が来日している国・地域はタイ、モンゴル、米国、香港、フランス、フィリピン、ウズベキスタンとなっている。この内、香港はパスポート表示で「中国香港」(1213人)の他に、「英国香港」でも149人が入国している。
一方、ロシアのプーチン政権によるウクライナ侵攻が開始されて以降、今月24日でちょうど半年が経過したが、2022年に入って以降、6月までに、ロシアから来日した留学生の数も、のべ681人に上る。また同期間に、ウクライナから「留学」の在留資格を取得し入国している人は43人で、日本政府が同国からの避難民受入れを開始した3月2日以降に来日した約1700人の内大多数が、在留資格「特定活動」による入国となっている。
※6月の月間来日者数では 中国が再逆転し首位に
なお、今年6月の1か月間に、在留資格「留学」を取得して来日した留学生(1万2951人)の出身国・地域別状況では、中国が6305人で再びトップとなった。5月に単月で国・地域別の首位に躍り出たネパールは、6月は2299人に止まった。ベトナムは732人だった。以下、バングラデシュ459人、韓国420人、ミャンマー266人、スリランカ243人、台湾233人、インドネシア227人、米国163人、モンゴル135人、タイ129人等となっている。
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~2年半ぶり、日本との留学相互往来が復活~
中国政府は、新型コロナウイルス感染症の拡大以降停止していた外国からの留学生受入れを再開することを決めた。中国駐日本国大使館(東京)が23日、日本からの留学予定者を念頭に、ビザの申請受付を再開すると発表した。すでに有効な留学居留許可証を所持している人については、直接入学できるようになる。ビザの希望者はまず申請表をオンライン(https://www.visaforchina.org)上で入力・アップした上で、提出日時の予約を行う必要がある。
コロナ禍に入って以降、中国の大学に在籍中で一時出国した学生や、新規の留学希望者はいずれも入国・再入国ができなくなっており、中国日本商会などが現地政府に善処を求めていた。
中国の留学生の受入れ再開はほぼ2年半ぶりで、これにより今年3月の水際緩和により受入れを再開した日本と、双方向での留学往来が復活する。
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~首相が会見で表明、9月7日より開始~
岸田文雄首相は24日午後、公邸からオンラインで会見を行い、新型コロナウイルス感染症に対する当面の対応方針を発表した。保健所や発熱外来の逼迫緩和に向けた緊急対応策として、患者届出の範囲を自治体の判断により、高齢者や重症リスクが高い人等に限定できるようにする考えを示した。
一方で水際対策に関しては「入国者総数、出国前検査、入国時検疫対応等の各種措置について今後さらに緩和する」と述べた。具体的な措置としては、渡航者に対し日本入国・帰国時に求めている現地出国前の検査証明書に関して、9月7日より、「入国前72時間以内の陰性検査(証明)に代えて、ワクチン接種証明の利用を可能とする」ことを明らかにした。対象はワクチン3回接種完了者とする。
一方で、一日あたりの入国者総数引き上げなどその他の水際措置について岸田首相は、「G7並みの円滑な入国が可能となるよう、段階的に緩和を進めていく」とする原則論に終始し、具体的な数字についても「感染状況を踏まえながら、速やかに公表する」として、会見の段階では明言を避けた。
★薬学教育の質確保へ 留学生の入学に必要な学力の確認求める
文部科学省の「薬学系人材養成の在り方に関する検討会」はこのほど、薬学部教育(6年制課程)の現状と、教育の質を保証するために必要な取組についての概要をまとめた。薬学部に関しては、平成15年度から令和3年度までの間に33の新設学部が設置された一方で、入学定員は平成20年度をピークに減少傾向にあり、私立大学においては約3割が定員充足率80%を下回っている現状にある。少子化によって将来的に薬剤師が供給過剰となる見通しも出ていて、教育の質を確保する観点から、入学者選抜の在り方にも課題が指摘されてきた。
検討会の「まとめ」では、18歳人口の減少による出願者不足を背景に、「文理を問わず得意科目1科目のみを問う入試の実施や留学生の積極的な受入れなど、学生確保のための多様な取組み」が行われていることに触れ、「一部の大学では、入学に際して求められる必要な学力の確認が軽視されていると考えられる事例もあった」と問題視している。
その上で、各大学に対しては、薬学分野を学ぶために必要な知識を確認する試験も適切に組み合わせ、評価を行うよう提言。留学生の積極的な受入れを進める場合には、「日本語教育の支援や入学後の学修支援、就職支援等の適切なフォロー」が求められると釘をさしたうえで、「大学の特色も踏まえ、留学生の受入れ及び育成に関する明確な方針とそのための体制整備が必要」と指摘している。
目下、薬学系の学部・研究科の留学生選抜においては、出願者を各国大使館の推薦や指導教員による口頭試問合格者に限定しているケースや、日本人と同様の入試など高いハードルを課している例がある。一方で留学生選抜の枠内で受入れている大学では、日本留学試験(EJU)を利用し理科や数学の知識力も確認する入試から、面接と日本語試験だけで選考する入試まで、実施方法は様々だ。出願段階で求める日本語レベルも、日本語能力試験N3レベルで出願を認める大学がみられることから、検討会では現状への警鐘を鳴らしたものとみられる。
「東京都太田記念館」は、中国の人々と親交の深かった故太田宇之助氏が、日中友好に役立ててもらいたいと東京都に寄贈した土地に東京都が建設した、留学生のための宿舎です。現在は北京市のほか、アジア諸都市出身の留学生を受け入れています。
●寮費(個室)
約16m2の個室が41室あります。
光熱水費 個別メーターにより各自が負担(電気・水道・給湯)
利用料:3万円/月
バス.トイレ、べット、デスク、チェア、本棚、クロゼット、冷蔵庫、エアコン、インターネット、LAN。
共同施設:食堂、共同キッチン、各階設置のランドリールーム、倉庫など。
●応募のしかた
1、在館できる期間
2022年10月1日から2024年9月30日までの間。
ただし、入居中に卒業(入居時点での大学の課程を修了)や退学をしたら、その時点で退去となります。
2、応募資格(以下のすべてを満たすこと)
(1)下記のいずれかの都市の出身であること。または、これに準ずるものであること。
北京、バンコック、デリー(準州)、ハノイ、ジャカルタ、クアラ・ルンプール、マニラ(首都圏)、シンガポール、ソウル、台北、ヤンゴン
(2)留学生(在留資格「留学」)または研究員(在留資格「文化活動」)であること。
留学生は、大学又は大学院に在籍していること。
研究員は、在留資格「文化活動」を有すること(在留資格「研究」、「教授」は不可)。
※応募時に、日本における在留資格(ビザ)がない方は応募できません。
(3)単身で生活すること。
(夫婦用、家族用の部屋はありません。同居は認められません。また、家族や知人を自室に宿泊させることは、いかなる理由があってもできません。)
(4)過去に太田記念館に在館したことがないこと。
※ 選考において、都の友好都市である北京市出身者には加点があります。
3、応募の方法(2022年8月31日(水)必着)
必要書類(コピーは受け付けません。)
1.所定の入居申請書 [Wordファイル] [PDFファイル] (A4サイズの両面印刷でお願いします)
推薦欄の職氏名には大学の学長または学部長などの氏名を記入のうえ、公印を押印してください。公印については、各大学の留学生課(係)等の窓口におたずねください。
2.出身地の証明書
太田記念館の入居要件都市(北京、バンコック、デリー(準州)、ハノイ、ジャカルタ、クアラ・ルンプール、マニラ(首都圏)、シンガポール、ソウル、台北、ヤンゴン)の出身者であることを証明する書類。
(出生地の記載があるパスポートのコピー、各都市に所在する学校の卒業証明書、住民登録証明書、出生証明書、または職場に在籍していた証明書など。北京は3カ月以上、その他の都市は6カ月以上の就学・就労期間の証明が必要です。日本語訳を添えてください。翻訳は本人が行ってもかまいませんが、翻訳者の署名、連絡先電話番号を記載してください。パスポートは、面談の際、現物をお持ちください。その場で確認させていただきます。)
3.身分証明書
パスポートのコピーと、在留カードのコピー
(パスポートは写真のある面・在留カードは表と裏。面談の際、現物をお持ちください。その場で確認させていただきます。)
4.在学証明書、または、入学許可書
5.アンケート [Wordファイル] [PDFファイル]
6.応募書類セルフチェックシート [Wordファイル] [PDFファイル]
(すべての項目をチェックして、応募書類の一番上に重ねてご提出ください)
4、応募の締め切り
2022年8月31日(水曜日) 午後8時 太田記念館管理事務所必着
面談
2022年9月5日(月曜日)か、6日(火曜日)に実施します。必ず本人の面談が必要です。
5、選考結果の発表予定
2022年9月16日(金曜日)予定
入居日:2022年10月1日(土曜日)
6、問合せ・応募書類郵送先
〒168-0082 東京都杉並区久我山2-16-14
東京都太田記念館 管理事務室 (募集担当:寺岡)
電話03-3333-6311 FAX03-3334-4047
最寄り駅 京王井の頭線 久我山駅 (駅より徒歩3分)