インフォメーション
~「日本語」科目の平均点がここ数年で最高の250点に ~
11月に実施された日本留学試験(EJU)の全体状況が判明した。日本学生支援機構(JASSO)のまとめによれば、最終的な受験者は追試験も含めて日本国内が9547人、国外が4444人の、合計1万3991人となった。応募者数(国内外で2万1466人)に対する受験率は65%。
受験地別では国内が東京(5827人)、大阪(1114人)などが、また国外はソウル(2158人)、香港(639人)、釜山(512人)の順に多い。
11月EJUの結果は各大学等の2022年度及び23年度留学生入試における学力判定の指標となる。注目の平均点は、受験者数が最も多い「日本語(聴解・聴読解+読解)」が250点(満点比62・5%)となり、ここ数年の中で最も高くなっている。「日本語(記述)」は33・8点(同67・6%)だった。
「日本語」科目の得点分布を見ると、最も多かったのは210-219点(790人)と、230-239点(750人)の層だが、300点以上の得点者が全体の25%(3512人)に上ったことで全体的な平均点が押し上げられたとみられる。
また日本語以外の科目の平均点は、主に文科系学生の受験科目である「総合科目」が124・4点(同62・2%)、「数学<コース1>」が98・4点(同49・2%)で、理科系学生の受験科目では「数学<コース2>」が110点(同55%)、「理科」は平均点が高い順に生物68・4点(同68・4%)、物理56・6点(同56・6%)、化学54点(同54%)だった。
なお日本国内の受験者について出身国・地域別でみると、最多の中国が7629人で全体の8割を占めた。中国の他はベトナム(738人)を始め、韓国、インドネシア、香港、台湾がそれぞれ受験者数100人を超えている。
★米国・ロシアの全土を変異株指定国に追加
政府はここ数日で水際対策を再度見直し、「特に対応すべき変異株に対する指定国・地域」に米国とロシアの全土やポーランド、ジョージアなどを追加した。この内米国については、ニューヨーク州、ハワイ州、イリノイ州、マサチューセッツ州からの入国者及び帰国者に検疫所長の指定する宿泊施設で6日間待機を求め、他の州については3日間待機とした。新たな措置はいずれも25 日から26日にかけて断続的に適用される。
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~名古屋入管のスリランカ人死亡事案を受け 入管庁が取組状況を公表~
名古屋出入国在留管理局で収容中のスリランカ人女性が死亡した事案を受けて、出入国在留管理庁は調査報告書で示された改善策に沿う形で、組織や業務の見直しを進めているが、このほど現時点における取組状況を公表した。医療スタッフの増員、被収容者の健康状態に関する情報共有、診療における多言語対応など、従来の診療体制を相当程度見直す内容が盛り込まれている。今後、再発防止に向けた実効性をどう高めるかが大きな課題となりそうだ。
入管庁が公表した情報によれば、すでに実施済みの取組では、新規収容者の健康診断、救急対応マニュアルの作成、非常勤医師の1名から4名への増員といった医療体制強化に関わるものが多い。先の死亡事案では、被収容者の健康状態について省庁内で正確に情報が共有されていなかったことを踏まえ、幹部職員と現場職員及び医療従事者との間に、定例会など意思疎通のメカニズムも設けた。またコミュニケーションに制約を伴う外国人向け対応を念頭に、庁内や外部で診療を受ける際には原則として通訳を手配し、緊急時等で間に合わない場合は翻訳機器の活用も指示した。
一方、現在取組中の項目の中には、収容中の体調不良者に対して仮放免を柔軟に行う方針も盛り込まれた。スリランカ人の事案を受けて、調査報告書は仮放免判断に係わる新たな運用指針の策定などを求めており、入管庁では同指針策定までの暫定措置として、体調不良者の柔軟な仮放免について指示文書を出したという。仮放免に当たっては民間団体との連携も必要なことから、現在対象として適切な団体の情報収集も進めている。今後はさらに、体調不良者の収容継続の可否を、本庁側がチェックする仕組みづくりも課題となりそうだ。
★岸田首相、外国人の新規入国再開に慎重姿勢
~「当面の間」 入国停止の延長を正式表明~
岸田文雄首相は21日夕方の記者会見で、年末までの1か月間を目処としてきた外国人の新規入国停止に改めて言及し、「オミクロン株の感染力、重症化リスクなどに関する科学的な評価がいまだ確立していない。このため、年末・年始の状況を見極めつつ、当面の間、水際対策を延長することとした」と述べた。併せて関連情報の収集に全力を挙げることや、オミクロン株の濃厚接触者については自宅待機ではなく、14日間の宿泊施設待機を要請するなど、政府として感染封じ込め策を強化する方針も明らかにした。
首相の会見では、欧米メディアの記者から、この1年8か月間、日本への留学予定者らがほとんど入国できておらず、入国待ちの人たちの我慢も限界に達しつつあるとの指摘があり、長期間の隔離や毎日のPCR検査など厳格な対応を条件に入国を認めるのは物理的に不可能なのかという質問が出た。これに対して岸田首相は「いろんな対応が考えられる」と直接の言及は避け、「現状ではまだオミクロン株という未知のリスクの実態が科学的に確認できていないので、慎重の上にも慎重でなければならない」として、「G7の中で最も厳しい水際対策」を継続する方針を重ねて繰り返した。今後の受入れ再開見通しについても、オミクロン株の実態や世界の感染状況が確認されれば、「科学的な見地から専門i家の意見も聞きながら、具体的な対応を考える可能性がある」と消極的な発言に終始した。
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~留学生は成績・出席率等の要件を撤廃 大学等が総合的判断で対象者を選抜~
令和3年度補正予算が国会で成立したことを受けて、文部科学省は新型コロナウイルス感染症の影響で経済的に困窮している学生を対象とする緊急給付金の事業を正式に開始した。全国の大学・高専・専門学校や日本語教育機関などで学ぶ約67万人に1人10万円の支給を想定しており、外国人留学生も受給対象となる。
同制度が前回実施された際には、留学生については基本的な申請要件に、成績や授業の出席率、仕送り金額等も含まれていたが、今回の要件にはこれらは入っていない。文科省関係筋は取材に対して、対象となる申請者の要件を一部変更し、改善を図ったが、各教育機関が対象者を総合的に判断する点は前回と変わらないと語った。
今回の対象者は、原則として自宅外で生活し家庭から多額の仕送りを受けていないことや、コロナ禍でアルバイト収入に影響を受けている学生がベースとなる。同時に現在何らかの奨学支援制度を活用していることも要件に挙げられていて、文科省によると留学生の場合は「外国人留学生学習奨励費」を始めとして、民間の財団や地方自治体が運営する既存の奨学金の利用者等が該当するという。同省では今回の支援には学生の学びの環境を整える意味合いがあり、一過性の措置に止まらず、奨学金を含めた継続的な支援に繋げていく狙いがあるとしている。
なお対象学生の選定に際して上記はいずれも絶対条件ではなく、個々の留学生が抱える経済状況を各教育機関がそれぞれ判断した上で、対象者を選抜して構わないとのことだ。申請期限は来年1月21日までで、各教育機関が日本学生支援機構(JASSO)に推薦者リストを送付する。
★岸田首相、水際強化措置の延長を表明
岸田文雄首相は18日の会見で、日本政府が現在実施している水際強化措置について、「少なくとも年末年始の状況は見極めた上でその先について考えるべき」と語り、当面年末までとしていた期限を、さらに年明け以降まで延長する方針を示した。具体的な時期は明言しなかった。
留学生など外国籍者の新規入国は、先月29日の首相判断により再停止しており、延長方針で少なくとも年頭までは再開が見通せない状況となった。影響は日本語教育機関等の来年4月期生はもとより、すでに在留資格認定証明書を取得済みで入国待ち中の留学予定者を中心に幅広く及ぶ。
現行措置の判断基準や指標は示さず
首相はこれに先立つ17日の会見では政府のオミクロン株対応について「G7で最も厳しい水際対策を即座に講じ、慎重な上にも慎重な対応に努めてきた」とした上で、一連の厳格な水際措置は「オミクロン株に関する情報が少しでも明らかになるまでの時間を稼ぎ、必要な準備をしていくための臨時異例の措置」と位置づけていた。一方で、「臨時異例の措置」を延長・終了させる上の判断基準やベースとする情報については示しておらず、国際的な往来再開に向けた先行きは不透明なままだ。
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私大連が留学生の入国に関する要望書を提出
日本私立大学連盟(私大連)は留学生の入国に関する要望事項をまとめ、16日付で文部科学省に提出した。同省の水際対策関連のタスクフォースからヒアリングを受けたことも踏まえ、再度私大側としての公式見解を表明した形だ。要望書では「留学生入国受入れに関連する私立大学の財政負担は多大なものとなっている」として国の支援を求めたほか、入国申請の再開にあたっては「教育機関を優先し遅滞なきよう対応」することや、待機期間の緩和、空港等からの移動手段確保についての支援も要望している。
さらに一連の留学生に関する申請手続きに関しては「対応する人数が企業等との比ではない」ことを踏まえ、簡素化を検討するよう依頼。先月の申請開始以降、国が求める提出方法が二転三転したことなども踏まえ、データ提出への申請方式一括化や、変更情報の省庁HPへのわかりやすい表記、誓約書の多言語翻訳などを列記した。
また受入れ再開時を見据え、留学生の申請受付が停止されている期間中に、申請準備を進める方針も表明。国が申請受付を始めても、その段階でようやく新たな申請ルールなどが発表される形だと大学が即座に申請を開始できず、結果として留学生の学習機会が損なわれかねないとして、申請上必要な関連情報を事前に提示することなども求めている。
★オミクロン株に対する水際対応を議論 年明け後も「慎重対応」
自民党は17日午前の外交部会などによる合同会議で、「国際的な人の往来に関する措置」を議題に盛り込み、オミクロン株に対する今後の対応方針を議論した模様だ。同株に関する「分析や疫学的な情報がまだ十分とは言えない状況(関係筋)」を踏まえ、年明け以降も当面、現在の入国制限を継続する方向で検討が進んでいるとみられる。岸田文雄首相は16日の参院予算委員会で、オミクロン株のリスクをある程度予想できる状況になるまでは、慎重な対応を続ける方針を示していた。
★所管官庁への申請による11月入国者 わずか228人
今年11月の1か月間で新たに来日した外国人の数は1万1568人だったが、この内、政府が11月8日に新規入国者の入国をいったん認めてから同30日に再停止するまでの3週間の間に、所管省庁への申請を必要とする新たなスキームで実際に新規入国した外国人が、228人にとどまっていたことが出入国在留管理庁のまとめで分かった。その他は全て「特段の事情」による入国だった。
政府は11月8日の受入れ再開にあたり、入国する外国人の在留分野ごとに担当の「業所管官庁」による事前審査を受けることを求めたが、提出書類が煩雑で手続きが在外公館でのビザ申請など複数の省庁に跨るほか、入国できる対象を当面、在留資格認定証明書(COE)の交付日ごとに限定する方針もあり、同月中の入国実績にはほとんど結びつかなかった形だ。
★各大学の履修単位積み上げも視野に 大学院設置基準の改正を諮問
文部科学省は大学院の高度な専門教育に多くの人がアクセスできるよう、大学院設置基準の一部改正に向けた手続きに入った。先に中央教育審議会(中教審)が出した提言などを踏まえたもので、今月15日付で末松信介文部科学大臣が、改正上必要となる規定の整備等について中教審に諮問した。
中教審が先月とりまとめた「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」では、一定のまとまりのある学習プログラムを修了した社会人などに履修証明書を交付する「履修証明プログラム」について、見直しの必要性を指摘。学位取得に向けた各大学等での単位積み上げや、複数の高等教育機関の間で単位を積み重ねる単位累積加算などの方法も活用できるよう制度改正を提言した。また正規の学位課程の一部を修了した者に対する学修証明も、法令上の位置づけを明確にするよう求めていた。
「グランドデザイン」では同時に、学部生を含めて日本人を入学者の主対象と想定する従来モデルから、社会人や留学生を積極的に受入れるモデルへの体質転換も課題として指摘しており、この内、留学生の大学入学資格に関しては、原則18歳にならないと認められない年齢要件の一部撤廃や、12年に満たない高校相当の教育課程の追加指定など、見直しの必要性に言及している。
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デジタル庁は、海外からの来日者や帰国者が入国時に書類の提出で行っていた手続を、ウェブ上で事前に処理できるサービスの運用を始める。入国業務の負担を軽減するとともに、コロナ禍対応や利用者の利便性向上を図る狙いがある。
システムは「Visit Japan Webサービス」と呼ばれるもので、20日から羽田、成田など国内の6空港で稼働する。入国審査や税関申告、検疫に必要な情報を、事前に本人がスマートフォンなどで入力し、検査証明書の電子データもアップロードできるようになる。
これまでは、入国者が入国時に検疫質問票などに自筆で記入して提出することが求められてきた。ただ特に外国人に関しては、コロナ禍以前から空港での入国審査に伴う待ち時間の長さが指摘されていて、一連の手続きをデジタル化することにより入国時の負担がある程度解消されることが期待される。
デジタル庁では、同サービスの運用開始後は事前のウェブ申請手続きで取得するQRコードを、本人が入国審査や税務申告の際に指定窓口で表示させるだけで、スムーズな審査が可能になるとしている。
★入国停止措置を問い直す緊急パネルセッションを開催
「日本留学の扉を開く会」が呼びかけ、明日20時から
「コロナ禍の日本留学の扉を開く会」では、先に提出した留学生等の受入れ再開要望に対する文部科学省からの回答を受けて、明日16日(木)の20時から緊急パネルセッションを開催することを決めた。
同会では、オミクロン株が出現し留学生等の新規入国が停止されて以降も、日本人や在留資格所持者等、1日あたり3500人の再入国は認められているとした上で、ウイルスに国籍による区別はないとしたWHO(世界保健機関)の指摘も踏まえ、日本政府の入国停止措置の意味を防疫的な観点から問い直すことが目的だとしている。
また12月8日付で末松信介文部科学大臣が留学生へのメッセージを発し、留学予定者らが海外で学べるようオンライン授業の質向上策を講じるとしていることについても、「これ以上オンラインでは我慢できないと失望した学生たちの(留学)キャンセルが再び相次いでいる」と政策効果に疑問を呈している。
緊急パネルセッションには日本語学校経営者、大学関係者のほか、技能実習生や高度人材の受入れ関係者らもパネリストとして参加予定。YouTubeの下記リンクにて視聴が可能だ。
★「コロナ禍の入国制限を考えるパネル会議」
12月16日(木)20時~21時30分
視聴先リンク→ https://youtu.be/pIckyYWa0ls
★香港が「3日間待機」から除外に
政府は新型コロナ変異株への水際対策として、入国時に検疫所指定の宿泊施設で待機を求める指定国・地域を断続的に見直しているが、これまで3日間待機を求めてきた香港が対象から外れたことがわかった。香港から再入国する外国人等は、本日(15日)0時以降、入国時の検査結果が陰性なら入国後14日間の自宅等待機へと直接移行する形になる。
なお、中国本土においては初となるオミクロン株の感染例が天津からの入国者向け検査において13日に確認されたが、中国当局の発表では該当者は空港検疫後に隔離されており、14日時点で市中感染などは出ていないという。日本政府も、中国を同株の指定国・地域とはしていない。
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