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2021-08-23 14:47:00
≪香港・中国発≫  ★香港学生3833名が政府支援で中国本土の大学へ進学

 

香港の高校生が中国本土の大学を目指す趨勢が、最近強まっている。香港「文匯報」によると、2020-21年度の1年間で、香港政府教育局の「内地大学進学支援計画」による援助を受け、本土の大学へ進学した香港出身学生の数は前年比19%増の3833名を数えた。このうち約半数は事前審査が簡素化され、高等学校長の推薦等により本土の大学へ直接入学できる新制度の適用者だ。香港政府の計画に対する支援総額はすでに4900万元(約8億円)に達した。

同計画がスタートした2014-15年度時点では、援助対象者の数は263名に止まっていたが、15-16年度は479名、さらに16-17年度には2190名へと急増した。同時期は香港が一連の政治的混乱に見舞われていた頃と重なるが、この間も応募者の数は増加の一途をたどっているという。こうした背景について中国本土の専門家は、本土の大学の学歴が、将来香港へ戻り就職する上でも大いにプラスに働くことや、本土での生活経験を経て中国全域へと視野を広げ人脈を構築できるメリットを挙げる。今後は、香港の発展にとっても、中国本土のバックボーンを持つ人材の重要性が増すことは必至と言える。

直近の2020-21年度は同支援計画の申請要件が一部弾力化され、香港の高校の卒業試験(点数)と校長の推薦など所定の条件を満たした学生は、事前の調査を免除され、特例で本土の大学に直接入学することも可能となった。

目下、「内地大学進学支援計画」を活用した香港人学生の中国本土における入学先ランキング(202021年度)ではトップの南大学(広州)が1339名と全体の3分の1を占め、次いで華僑大学(厦門)505名、広州中医薬大学281名、中山大学(広州)275名、北京中医薬大学151名等となっている。ちなみに首都北京の名門である北京大学と清華大学にはそれぞれ47名及び44名が入学している。

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2021-08-23 14:40:00

912日まで「宣言」延長・対象区域拡大

政府は東京都などに発出中の緊急事態宣言を912日まで延長すると共に、20日から対象区域を京都、茨城、群馬等7府県にも拡大し計13都府県とする方針を決め、菅義偉首相が先の会見で表明した。これに伴う海外からの水際対策については、現時点で大きな変更はない。

 

一方で新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針が再改訂され、学校の取扱いに関する記載事項では、大学、専門学校、高校等に対し、最大約80万回程度分の抗原簡易キットの配布を7月末に開始していることを踏まえ、改めて適切な活用を求めている。

 

これに先立って先般文科省が定めた「高校等における抗原簡易キットの活用の手引き」では、部活動の大会・合宿等に参加する学生や、学生寮で共同生活中の学生が体調不良を訴えた場合、あるいは新型コロナの初期症状として見られる咳、発熱等の軽症がある場合には、各大学等の状況に応じて積極的に検査キットを活用することを呼び掛けている。

 

ただ同キットは無症状者への確定診断や濃厚接触者に対する検査に用いることは推奨されないとして、学校医や医療機関との連携方法など事前事後の対応をあらかじめ取り決めておくよう各教育機関に求めた。

 

★正確なワクチン情報の発信 各大学の取組例は?

――動画・映像を活用/専門的知見をもつ教員が解説―――

 

 新型コロナウイルスワクチンに関する正確な情報を学生向けに発信しようと、各大学が様々な創意工夫を凝らしている。学生の中にはSNS等を通じて拡散される誤った情報や根拠のない噂に惑わされ、接種を敬遠・躊躇する人も少なくないからだ。文部科学省ではこのほど大学拠点接種を実施している大学の中から、他大学にも参考となり得る個別の取組例を収集した。

 

これらの内、慶應義塾大学や長崎国際大学はワクチン接種に関する情報の発信に動画や映像を活用することで、学生の視聴機会を増やす試みを行っている。慶大では大学拠点接種の予約開始に合わせて、ワクチン関連の情報をまとめた解説映像を制作した。映像には附属病院の医師による解説を取り入れ、mRNAワクチンの有効性、副反応、接種後の発熱等への対処法を具体的に紹介。この他に学生たちが連携して作成した情報サイト「大学生向けワクチン情報サイト」も別途公開されている。

 

一方、長崎国際大学は、医師でもある学長がワクチンの有効性や副反応について解説する動画を作成し、授業前に学生が視聴できるよう準備した。動画では、実際に感染した場合起こり得る後遺症にも言及し、「ワクチン接種によるベネフィットがリスクを上回る」ことを説明しており、こうした効果もあって学生の接種率は83%に達している。

 

長崎国際大と同様、専門的な知見に基づく正確な知識を伝える取り組みに力を入れているのが城西国際大学(千葉県)で、感染制御学を専門とする教員が学生向けにオンライン説明会を実施し、ワクチンに関する科学的データ等を示すことで、SNS等の情報に対する冷静な対応を呼び掛けているという。

 

ワクチンに関する情報発信では、動画や説明会のほかに、接種を考える学生が必ず目にする予約ページや大学生協に掲示するポスターなどのツールを駆使する北海道大学のような例もある。文科省によれば、来週23日以降に大学拠点接種を開始する大学は昨日(19日)12時時点で少なくとも43大学に上っており、学生に接種のメリットを伝えるための模索は当面続きそうだ。

 

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2021-08-17 16:14:00

「五輪明け」 明日到着便より受入れ再開へ

 

 

文部科学省学生・留学生課はこのほど『留学生新聞』の取材に対し、5月より再開した国費留学生受入れについての進捗状況を明らかにした。7月上旬までの段階ですでに予定人数の67割程度が来日しており、この間、来日後に日本語等予備教育が必要な大学(学部)、高専、専修学校の学生に加え、すでに第二段階となる大学院レベルの研究留学生等についても受入れを始めたという。

 

東京五輪が開幕した7月はいったん入国を見合わせていたが、明日(818日)の日本到着便を皮切りに、受入れが再開される。文科省では今年4月までの入学予定者について、9月上旬までに受入れを完了するよう、各受入れ教育機関に対して通知を行っており、これまでの入国者も含めると、来日する国費留学生は最大で1100名程度に上るとみられる。

 

☆私費の受入れ再開まだ見通せず 迫る政治の決断

 

一方、私費留学生の受入れ「解禁」に関しては、まだトンネルの出口が見えない状況だ。文科省の関係筋は取材に対して、「(私費についても省内で)検討はしているが、現時点では明確な方向性は出ていない」と述べた。別の消息筋からは「関係省庁間の調整しだい」といった声も出ている。

 

とはいえ、在留資格認定証明書や留学ビザを取得しながらも日本へ入国できない留学予定者が「2万人から3万人程度(関係機関の推計値)」に上っているほか、日本語教育機関等が抱える苦境も「経営を続けられるかどうか、ギリギリの瀬戸際(関係者)」に差し掛かっているのが現状だ。政府は今週から1日あたりの入国者数の上限を3500人へと拡大する方針を打ち出している。コロナ禍のさ中とは言え、「主要先進国の中で目下、留学生の受入れを原則禁止としているのは日本だけ(海外にいる留学予定者)」との指摘も出ており、政治の決断が求められる局面と言える。

 

★猛威ふるう変異株 中国大使館が留学生に再び注意喚起

 

中国駐日本大使館教育処は16日、日本国内で新型コロナウイルスの感染者数が連日過去最高を更新し続けている現状を受け、改めて在日留学生に対し注意喚起を行った。

関係筋によると中国人留学生の間でも感染確認例が毎週、数十名単位まで増えていて、個々には症状が比較的重篤なケースも見られるという。同大使館では、日本の医療機関のコロナ患者受入れ能力が限界に近付いており、感染者がすぐに治療を受けられないリスクが現実のものとなっていると指摘。在日留学生らに対して、①感染力が強いデルタ変異株への自衛意識をより一層高める、②不要不急の外出自粛、三密回避、外出時のマスク着用、ソーシャルディスタンスと手洗い・消毒を励行すると共に、自己意思による積極的なワクチン接種など対策の強化を呼びかけた。

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2021-08-16 12:56:00

 

新型コロナウイルス感染症に伴う水際対策で留学生の新規入国が滞っている状況を受けて、日本介護福祉士養成施設協会(介養協)ではこのほど、出入国在留管理庁長官に対して要望書を提出した。介護現場で将来的に不可欠な役割を担う外国人留学生の重要性を踏まえ、入国制限の早期緩和を求める内容となっている。

介養協によれば平成29年に在留資格「介護」が創設されて以来、介護福祉士の養成校における留学生入学者は増加の一途を辿っており、直近の令和2年度には全入学者の34%を占める2395人に達した。一方、厚生労働省のまとめでは介護職員の必要数は令和7年度には32万人、同22年度には69万人に増える見込み。高い専門性や資質を持つ人材のニーズは今後益々高まるとみられ、留学生はその中核として期待されている。

とはいえ、海外からの入国が困難な状況がこのまま長期化すれば、来日して介護分野を目指す外国人学生の留学断念が相次ぎ、国として人材の中長期的な喪失につながりかねない。介養協は要望書の中で、不透明なコロナ感染状況下で政府の慎重な判断が必要であることに理解を示しつつも、「今後の日本社会に与える影響は計り知れない」とした上で、「外国人留学生の早期の入国制限緩和」を検討するよう入管庁に求めた。

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2021-08-16 12:54:00

~主要私大の2021年度留学生在籍総数を本紙調査~

 

留学生を受入れている各私立大学の最新の受入れ状況が判明した。『留学生新聞』では5月から7月の期間、全国の主要私立大学(約70大学)の協力を得て、最新の留学生在籍数に関するアンケート調査を行った。基準日は今年51日時点かまたは直近時点で、各大学の学部・大学院・日本語別科等に在籍している留学生の総数を尋ねた。調査時点で統計がまとまっていなかった大学については、当該校が後日公表した数字を最新の在籍数とした。

同調査の集計結果によれば、今年度、留学生在籍総数が千名を超えている大学が、現在判明しているだけで少なくとも13大学に上る。この13大学はいずれも2020年度の日本学生支援機構(JASSO)による調査で、同様に在籍数が千人超だった18大学の中に含まれている。  

本紙調査ベースでみると、受入れ数が千人超の私大で、昨年度に比べ実数が増えた大学はほぼ半数に上り、減少していてもほぼ前年度並みの大学が多数を占めた。留学生の在籍規模が大きな「マンモス校」は、長期化するコロナ禍にあっても、堅調な受入れ状況を維持していることが裏付けられた形だ。

 

★早大が最多の3252人 立命館大とAPU2千人台 

各私大別の状況をみると、本年度も全国最多の留学生を受入れているのは早稲田大学で、51日時点で在学し、有効な在留資格を所持することが確認された留学生が3252人に上る。在籍段階別の内訳では大学院2097人、学部1131人、日本語教育24人となっており、出身国・地域別では中国出身者が2241人で全留学生の68%を占める。早大には単独で200人以上の留学生が所属している学部または大学院研究科が5つあった。

一方、西日本エリアでは立命館大学と立命館アジア太平洋大学(APU)が双璧で、両校とも2千人を超える受入れ数を有する。立命館大学には51日時点で学籍を有する正規留学生が2620人おり、この内中国出身者が1617人。APU は在留資格が「留学」である「国際学生」が同基準で2651人に上る。

★受入れ「千人超」大学の顔ぶれは?

さらに首都圏においては、慶應義塾(1908人)、明治(1675人)、日本(1598)、上智(1514人)の各大学が1500人を超える留学生を受入れているほか、東海(1301人)、拓殖(1080)、法政(1073)の各大学も千人超。日本経済大学には東京キャンパスのみで1238名が在籍する。

近畿圏では関西(1164人)、同志社(1107人)の両大学も昨年度に続き千人を超えているほか、関西学院大学が929人と大台目前に迫っている。

なお上記の数字はいずれも各大学によって基準日が異なるほか、コロナ禍に伴い本国にいる学生の扱いにも差異があるため、実数の単純な比較はできない。

 

※各私大の留学生在籍数に関する詳細は、下記「2022大学特集」オンライン電子版P2-4を参照。

(注:本稿締切時点で最新の実数が不明だった大学については、一部内容が本文と異なる。)

オンライン電子版➡➡ https://cdn.goope.jp/176510/210715133717-60efbb7d80256.pdf