インフォメーション
★在留資格所持者の再入国禁止 パキスタンが解除に
日本政府は新型コロナウイルス感染症に対応した海外からの水際対策を一部変更した。在留資格を所持する留学生等の再入国を原則として拒否していた指定7か国の内、パキスタンについては対象から除外し、8月13日0時より再入国を認めた。インドやネパール等、他の6か国は再入国拒否が継続される。
また日本入国時に指定の宿泊施設で待機を求めている対象国の内、インド、スリランカ、ネパール等5か国・地域については待機期間が従来の10日間から6日間に、またマレーシア、パキスタン等4か国・地域は同6日間から3日間に、それぞれ短縮された。なおカンボジアやフランス等9か国・地域が、新たに「懸念すべき変異株」の指定国となり、入国時3日間の待機を求める。上記の待機措置の変更はいずれも8月14日0時から実施されている。
★法相、入管庁に「的確な管理監督」を求める
名古屋・スリランカ人女性死亡事案、入管法改正等の議論に影響も
出入国在留管理庁が、名古屋出入国在留管理局の施設に収容されていたスリランカ人女性の死亡事案に関する最終的な調査報告書を提出したのを受けて、上川陽子法相は今後の入管難民法に関する議論の在り方について会見で問われ、「(入管法については)継続審議となっており、どう取り扱うかは今後国会の中でお決めいただく」と述べた。今夏中には入管政策の指針となる「出入国管理基本計画(第6次)」の策定も迫っているが、法相はまず「出入国管理行政を内外から信頼されるものとするために、地方官署に対する的確な管理監督を行うよう、出入国在留管理庁長官に対し指導を行った」という。
※「柔軟な仮放免を可能に」 新たな運用指針の策定を求める
~スリランカ人女性死亡事案で入管庁が最終報告書~
入管庁が外部有識者の協力を踏まえ作成した同事案の調査報告書では、スリランカ人女性の死因について「病死と認められるものの、複数の要因が影響した可能性があり、死亡に至った具体的な経過(機序)を特定することは困難」と結論付ける一方で、名古屋入管局の対応について検証。①組織として、被収容者の体調などを的確に把握し医療的な対処を行うための対応が構築されていなかった、②医療体制の面で、医療従事者が限られ外部の医療従事者へのアクセスに欠けていた、③被収容者の生命と健康を預かる施設職員としての意識が不十分だった、などの問題点を指摘した。これらを踏まえた改善策としては、▶被収容者の体調をより正確に把握するため、通訳等の活用や外部医療機関との連携を含めた医療体制を強化、▶全職員の意識改革と、本庁(入管庁)における情報提供・監察指導部署の設置など組織改革、▶体調不良者の状態を踏まえた柔軟な仮放免を可能とする新たな運用指針を策定し、収容継続の可否を本庁がチェックする仕組みづくり、等を挙げている。
一方で入管庁によれば、死亡したスリランカ人女性は平成30年に留学生として在籍していた日本語学校を除籍され、難民認定申請を行い不許可後に所在不明となった。昨年8月に警察へ出頭し不法残留で逮捕、入管引き渡し・収容へと至った経緯がある。事案が関係する課題が多岐に渡ることから、不法残留者や難民認定申請者の処遇、退去強制手続きの在り方など、改正入管法の審議過程でも焦点となった議論の行方に、今後影響を及ぼす可能性が高いとみられる。
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~外務省報道官「国際的な人の移動再開に繋がる重要手段」
新型コロナウイルスワクチンの公的な接種証明書(ワクチンパスポート)の交付が先月26日より各市区町村で始まる中、その国内的な活用方法が今後の焦点として浮上しつつある。欧米諸国等においては同様の陰性証明書を入国や国内移動等に際し求める動きが出始めているからだ。日本政府は当面、海外に渡航予定の人が相手国側に同証明書を提示することで、隔離や再検査等の防疫措置が緩和されることを念頭に置いており、日本国内での活用については検討段階とするに止めている。加藤勝信官房長官は先の会見で、これに関して「現時点では具体的に申し上げられる状況には至っていない」と明言を避けた。
現状ではワクチン接種そのものが日本国内では義務事項ではなく、あくまでも各自の判断で行うものであり、仮に接種を強要されるような状況になれば不当な差別につながりかねないことから、国内での活用には慎重な対応が模索されているとみられる。
一方、コロナ禍の影響が長期化する中で、入国制限等、水際対策の緩和に道筋をつけていくためには、ワクチン接種歴の有効活用が大きなカギを握るとする指摘も少なくない。外務省の吉田朋之外務報道官は先の定例会見で、「実態として、ワクチン接種証明が今後の国際的な人の移動の再開に繋がる、一つの重要な手段になり得る」との認識を述べた。
海外では英国政府が、同国の定めたワクチンプログラムの規定に基づいて接種を完了した米国と欧州連合(EU)からの渡航者について、入国時の隔離や検査を免除する方針をすでに表明済みだ。またシンガポールでは同国と同程度に感染が抑制されワクチン接種率が高い国・地域向けに、入国時の隔離を不要とする対応が検討されている。最も厳格な「義務付け」が視野に入っているのは米国で、複数のメディアによればバイデン政権は、入国する全ての外国人に対しワクチン接種完了を求める方向で調整中だという。
今後、諸外国における議論の動向などをにらみつつ、外国籍者の入国・再入国にいかなる形で海外の接種歴を活用できるのか、法務省や厚生労働省等を含めた関係省庁の間で、様々な検討が行われていくとみられる。ただ例えば接種証明書の提出により、入国時の検疫を緩和する場合でも、国・地域の線引きや、どのワクチンを対象とするかなど難題が多い。日本国内で感染第5波が爆発的に広がる中、具体的な検討までには相応の時間を要しそうだ。
※接種証明書が使用可能な国・地域は?
外務省によれば、日本の市区町村が発行する新型コロナワクチン接種証明書が使用可能な国・地域の数は8月3日時点で14に上る。イタリア、ドイツ、ポーランド、ブルガリア、トルコなど欧州諸国が多く、アジアでは韓国、香港と、タイの4島(プーケット島、サムイ島等)が含まれる。ただこの内、香港は香港IDを所持する「香港居民」のみで、日本国籍者は対象外。韓国は隔離証明書の発行に必要な書類として認められる扱いとなる。ただいずれのエリアに渡航の場合でも、日本帰国時には接種証明の有無に関わらず、14日間の自宅待機等、所定の検疫措置が求められる。
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準決勝では9秒83、アジア記録更新!
東京五輪・陸上男子100メートル種目の中国代表である蘇炳添選手が、8月1日に行われた準決勝3組で9秒83のアジア新記録をマークし、同組トップで決勝へと進出した。決勝レースでは惜しくも6位に終わったが、アジア人として唯一、五輪の花形種目である100メートル競技のファイナリストに名を連ね、国内外で注目を集めた。
蘇選手は広東省中山市の出身で32歳。広州市の暨南大学体育学院で教壇に立つ、現役の准教授(副教授)でもある。2015年にはアジア出身選手として初めて、同競技で「10秒の壁」を破っていた。
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大学拠点接種の枠組みで行われている留学予定者を対象とした新型コロナワクチンの接種について、萩生田光一文部科学相は3日の会見で、同日より18歳未満の高校生等も対象に含める方針を明らかにした。モデルナ社製ワクチンの接種対象年齢が従来の「18歳以上」から「12歳以上」に変更されたことを受けた措置。これまでは今秋留学予定の高校生が、留学先からワクチン接種を求められている場合、満18歳に達していなければ接種の対象外となり留学できない状況が生じていたが、今後は対象年齢引き下げにより接種が可能となる。
なお接種証明書は各市区町村において先月末から順次開始しているほか、今秋までの暫定措置として文部科学省でも英語の接種記録保有証明書を発行する。
国費留学生の受入れ再開が背景に
今年5月の1か月間に、在留資格「留学」を取得し日本へ新規で入国した外国人が710人と、前月(327人)から倍増したことが分かった。日本政府は新型コロナウイルス感染症の拡大を受け今年1月22日以降、外国人の新規入国を原則として禁止しているが、「特段の事情」が認められる場合に限り、例外的に受入れを認めているほか、5月以降は、日本政府国費留学生の新規入国が部分的に再開されており、同月中に第一陣が来日したことが作用したとみられる。
出身国・地域別で5月の新規入国留学生が最も多かった中国は、対前月比99人増の210人。また国費留学生の来日等により入国者が急増したのがモンゴル(74人)で、中国に次いで多かった。その他の国・地域では韓国(62人)、タイ(59人)、ベトナム(46人)、インドネシア(41人)、台湾(37人)、マレーシア(28人)が続いており、通常、留学生の入国者が少ないエリアではラオス(26人)やカンボジア(15人)も目を引く。
今後は留学生の受入れ対象拡大や入国制限の解除が、どのタイミングで行われるかが、正常化へ向けたカギとなる。
※再入国留学生は6割を中国が占める
一方、すでに日本の教育機関に在籍中の在留資格「留学」所持者で、5月中に日本へ再入国した人は699人と、月間ベースで2021年に入ってから最も少なかった。新年度の開始前後の入国ピーク期を過ぎたためとみられる。これら再入国留学生の内、6割強の427人を中国出身者が占めており、同国内のコロナ感染状況が抑制されていることから、短期間で一時帰国する留学生も一定数に上るとみられる。
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