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首相官邸は本日19時頃より、岸田文雄首相の記者会見を行う。まん延防止等重点措置の解除・延長に関する方針と、外国人に対する水際対策の緩和について首相自身が発表する見通しだ。留学生など外国人の新規入国が再開されるのは、オミクロン株の世界的な拡大を理由に昨年11月30日に受入れが停止されて以来、ほぼ3か月ぶりとなる。
官邸によると会見の模様は、下記SNSでもライブ配信する予定だという。
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★私大連が留学生の入国と水際対策に対する要望書
日本私立大学連盟(私大連)は16日、文部科学省と自民党の文部科学部会に対して、外国人留学生の入国と水際対策に関する要望書を提出した。要望では4月の入学時期を迎えるにあたって、新型コロナウイルス感染症に伴う入国制限の一日も早い解除が望まれるとしつつ、現在緊急を要する留学生に限定して認められている受入れに関しても「入国時に厳格な管理体制が敷かれており、多くの留学生が在籍する大学はこれに対応することが大変難しい状況」にあると指摘。こうした体制が続けば「水際対策の措置が全て解除されるまで留学生を受入れられないことになってしまう可能性もある」と強い危機感を訴えた。
その上で私大連では、日本と世界を繋ぐ留学生や研究者たちの他国への流出や国際交流の停滞を防ぎ、教育研究の高度化を推進するために、水際緩和に際しては留学生や研究者の受入れを最優先に考慮するよう求めている。また水際対策についても、▶申請手続きの簡素化・一元化、▶入国時検査で陽性判定とされた留学生の管理体制を大学の実情を踏まえた対応にする、などを要請した。
★特定技能・技能実習生に係る法相勉強会で 大学学長からヒアリング
古川禎久法務大臣は15日の閣議後会見で、最近新設した「特定技能制度・技能実習制度に係る法務大臣勉強会」を先週10日に開き、田中明彦・政策研究大学院大学学長からヒアリングを行ったことを紹介した。古川大臣によれば田中学長はこの場で、「外国人材の受入れ・共生の在り方を考えるに当たっては、高齢化が進む日本社会の未来像、世界の中の日本、技能実習制度や留学生政策における制度の不備・首尾一貫性といった視点が必要」と助言したという。
古川大臣は「意見交換を含め、外国人材の受入れ・共生の在り方について大局的な見地から貴重なお話を伺うことができ、大変有意義な勉強会であった」との所感を述べた。
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松野博一官房長官は15日の会見で、昨年11月29日に政府が外国人の新規入国を原則停止して以降、今年2月10日までの間に「特段の事情」により日本へ新規で入国した留学生が約6千人(速報値)に上ることを明らかにした。
出入国在留管理庁によれば、これ以前の新規留学入国者は月間ベースで、11月が1709人、10月は1522人となっていて、12月以降は逆に増勢へと転じていることが伺える。政府は年末年始にかけて入国停止措置を延長したが、これと並行して「特段の事情」による留学生の入国は以前より多く容認していたことになる。ただ在留資格の事前認定を受けながら入国できていない留学生が、「昨年末時点で約15万人に上る(松野官房長官)」状況には変わりはないことから、本格的な回復には岸田文雄首相が表明した3月以降の水際対策緩和が不可欠となっている。
★1月の単日あたり入国者平均は2240人
一方、今年1月の入国者総数は6万9458人だったことが、出入国在留管理庁のまとめで分かった。内訳は日本人帰国者が3万9723人、外国人再入国者が2万7720人。また外国人の新規入国者は全ての在留資格者の合算で2015人で、特別永住者ら一部を除けば、いずれも人道上・公益上等「特段の事情」により入国を許可されている。総入国者を1日あたりの平均値でみると2240人。政府は3月以降の水際対策緩和に際して、この数を5千人に増やす方向で検討を進めている。
★自民党などが政府に留学生の入国を求める決議を提出
自民党と公明党は15日、留学生の入国を認めるよう求める党の決議案をそれぞれ政府に提出した。
自民党は14日に文部科学部会が発議した「留学生の入国再開を求める決議文」を政務調査会で了承の上、松野博一官房長官に直接手渡した。
決議全文によると、G7など諸外国が国家戦略としてコロナ禍でも留学生の入国を認めている中、日本は外国人の新規入国停止長期化により、留学志望の若者が他国に進学先を変更するなど、「留学生から選ばれない国となりつつあり、国際的な地位は急落している」と指摘。従来は年間3万人が国内企業へ就職していた大学等卒の留学生が入国できないことにより、国際的な人材獲得競争でも後れをとり国益を損なうと懸念を示した。
その上で決議文は、水際対策の骨格について見直すよう政府に求めた。具体的には、①未来の知日派・親日派たる留学生の受入れを、最優先で積極的かつ継続的に進める、②国費・私費を問わず、一日の入国者数上限にとらわれず、簡素な事務手続きにより迅速・円滑に入国できるようにする、③留学生の受入れ教育機関が責任をもって隔離中の適切な防疫措置と、留学中の法令違反時の改善指導を行い、厳格なペナルティも導入する、④待機留学生の入国見通しが立つよう、文部科学省主体で留学生の戦略的な受入れ方針を検討・公表する、などが盛り込まれている。
山本朋広・自民党文科部会長によれば、松野官房長官からは「入学、新学期のタイミングを踏まえて前向きに検討したい」との返答があったという。
一方、公明党の文科部会は同日、国費や私費、緊急性等の区別を設けることなく継続的な留学生受入れを行うことや、留学生・文化芸術・スポーツ関係の入国全般が可能となるよう政府に緊急の申し入れを行った。
★首相、与党の「提言踏まえ緩和に向け検討」
岸田文雄首相は15日の政府・与党連絡会議で、3月以降の水際対策について「総合的に勘案し、緩和に向けた検討を進めてまいります。自民党、公明党の皆様からも多くの提言を頂いております。両党のご意見も踏まえながら、新型コロナ対応に全力を尽くしてまいります」と述べた。
※政府内の調整大詰め 明日以降・週内が大きなヤマ場に
現在、政府内では3月以降の水際措置について、緩和に向けた最終的な調整が大詰めを迎えている。留学生を含めた外国人の新規入国を観光以外、原則として認める案や、入国審査に関し昨秋は義務付けられていた事前審査を無くして申請窓口を一本化する案など、スムーズな入国を可能にする方向で緩和策が検討されている模様だ。ただ自民党内には「実際には大幅緩和にはならない。変異株の特性を踏まえた段階的緩和が実際的(佐藤正久・外交部会長)」との慎重論も一部に残っており、本日予定されている党外交部会が、本格緩和に向けた最後のハードルになるとの見方がある。
明日17日には、今後の水際対策の方針などについて岸田首相自身が会見を行う方向で調整中との観測も出ており、明日以降週内には政府方針が固まることが有力視されている。
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卒業(修了)者に日本の大学入学資格が認められる国内の外国人学校として、新たに東京都内にあるネパール人学校「エベレストインターナショナルスクールジャパン」が15日付で指定されたことが分かった。文部科学省関係者が明らかにした。
同校は2013年に在日ネパール人子女向けの教育機関として設立され、15年にはネパール政府から世界初のネパール人学校の認定を受け、英語による授業をベースに、同国の指導要項に沿った教育を行なっているという。大学入学資格の対象となるのは、昨年(令和3年)4月15日以降の同校課程修了者。
文部科学省は日本の大学に入学するための要件として、「我が国において外国の高等学校相当として指定した外国人学校」の修了者も認めていて、日本国内のインターナショナルスクールなどが、本国の在日大使館の認定を経て日本の文部科学大臣に通知し、正式な告示を受けることが可能。告示による指定が完了すれば、同施設の課程修了者は大学入学資格が認められる。
「エベレストインターナショナルスクールジャパン」は15日付で、文科省から正式な告示・指定を受けた。同省関係者によれば、外国人学校の追加指定は2020年9月以来、1年5か月ぶりとなる。
★「留学生の入国再開を求める決議文」 自民党が政府に提出へ
自民党の文部科学部会は14日の会合で、「留学生の入国再開を求める決議文(案)」について討議した。山本朋広文科部会長は「留学生が日本に来られない。それによって他国を選び始めている。人材育成の国際競争力という意味合いでは、日本の国際的価値がかなり低下をしてきている」と改めて現状への問題提起を行った。
会合では同様の意見が大勢を占め、活発な議論を経て対応が部会長一任となった。同決議(案)は15日の党政調審議会において了承を得た後、政府に対し正式に提出される見通し。
岸田文雄首相は12日のぶら下がり会見で水際対策の緩和に向けて検討する方針を表明しているが、具体的な対象や入国再開時期等の詳細は現時点で正式発表されていない。決議(案)には、受入れる留学生を国費・私費で区別しないことや入国者数上限にとらわれず最優先で認めること、及び前回の申請時に不評だった複雑な申請手続きの簡素化なども盛り込まれているとみられる。
一方、林芳正外相は15日午前の会見で、水際緩和の具体的な中身や、先行してメディアで報じられている内容等についての質問に、「現時点で(政府方針が)決定しているというわけではない」として再び言及を避けた。
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木原誠ニ官房副長官は13日のフジテレビ番組に出演した際、政府の水際対策について「緩和に向けて検討していく。昨年いったん(一日あたりの入国者数)3500人を5千人まで上げようという議論もした。これも一つの視野に入ってくると思う」と述べ、入国上限数の見直しに言及した。さらに「諸外国ではワクチンを打っているかいないかで(検疫上の)取り扱いを変えている例もある。検討したい」と述べた。木原副長官は岸田文雄首相に最も近いとされる側近の一人。
※一日の入国者上限5千人への引き上げが論点 現状は?
出入国在留管理庁のまとめによれば、昨年10、11月の入国者総数は帰国日本人を含めて、11月が約7万5千人、12月が約8万人(1日平均11月2400人、12月2700人)で、いずれも一日の入国上限数のめどである3500人を下回っている。この内外国人の新規入国者は各月約1万人ずつ、再入国者が同2万人ずつとなっている。また12月の入国者総数は上限数(1日3500人)に相当する10万8千人に達したが、これは年末の季節要因で帰国日本人が増えたためで、外国人入国者は政府の水際対策強化に伴いトータル2万3千人、うち新規入国者は2700人にとどまった。ここ数か月間の通常期だと、日本人帰国者は月4、5万人前後、再入国者はほぼ2万人台で推移しているのが現状だ。
今後、日本政府が一日の入国者数上限を1日5千人に引き上げた場合には、月あたりの入国可能枠は最大で15万人となる。ただ国内空港における検疫体制の確保や入国者のワクチン接種状況にも左右されることから、実際の稼働率などは流動的と言えそうだ。
※外相と官房長官 「水際緩和に向け検討中」
林芳正外相は12日、訪問中のホノルルでの会見で、政府が近く緩和する方針の水際対策について問われ、「(同日の)ぶら下がり会見で総理が述べたとおり、基本的な考え方として状況が変化している中で、変異種も含めたオミクロン株に対する科学的な知見の蓄積、内外の感染状況の変化、海外の水際対策のありようなどを総合的に勘案して、新型コロナウイルス感染症対策全体の流れの中で、緩和に向けた検討を進めているところ」と述べた。
また松野博一官房長官は14日午前の会見で、今後の水際対策に関し問われた際に、外相と全く同様の見解を示したうえで、「引き続き入国時における検疫での検査と共に、指定国からの入国者に対する待機措置の確保を進めるなど検疫体制の強化を講じていきたい」と述べた。具体的な対象者や入国者数については言及を避けた。
★日本留学試験(6月)の出願を開始
今年6月(19日)に予定されている日本留学試験(EJU)の出願受付が、本日2月14日(月)より国内外で開始された。日本国内の出願は「EJUオンライン」から行う。3月11日(金)17時が締切となる。
★関学大、未入国の留学生向け支援を強化
関西学院大学は、新型コロナウイルス感染症の水際対策により入国できない状況が続く外国人留学生向けの支援を強化する。今月27日に、オンラインによる留学生応援企画「バーチャル京都ツアー&学生交流イベント」を開催することを決めたほか、コロナ禍で孤立が懸念される留学生に対する動画配信での呼びかけや、担当する国際連携機構の職員による留学生一人ひとりへの電話連絡も行う。
関学大によれば、バーチャルツアーは2D映像で京都を巡り、舞妓の舞など日本文化と直接触れられる機会を設定。キャンパスツアーや、日本人学生も交えたチームによるクイズなども計画しているという。オンラインとはいえ日本随一の観光スポットを体感してもらい、関学生とリアルに交流できる場を設けることで、本来の学生生活とはほど遠い生活を余儀なくされている学生らに寄り添う大学の思いを伝える。
これに先立ち、関学大では留学生への応援メッセージのYouTube配信を開始した(https://youtu.be/aPNygEVLas4 )。今月時点で入国できていない約230名の外国人留学生に対しては、大学が個別に連絡をとり、状況確認や現在抱えている問題、不安等の聞き取りを実施している。
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岸田文雄首相は12日、検査体制などの視察で羽田空港を訪れた際に、水際対策の緩和に向けた検討を進めていく方針を明らかにした。
留学生、技能実習生等外国人に対する今後の対応について記者団から問われた岸田首相は、「様々な意見があるということは十分承知している。変異種も含めたオミクロン株に対する科学的な知見の蓄積、内外の感染状況の変化、更には海外における水際対策のありようを総合的に勘案していかなければならない」と改めて原則論に言及した上で、「緩和に向けた検討を進めていきたい」と明言した。
政府はこれまで外国人の新規入国を2月末まで原則禁止する水際対策の「骨格」を維持するとしてきたが、首相は緩和の方向で「骨格自体どうあるべきなのか見直し」を行うとも述べた。緩和の対象や入国者数などについては今後検討していくとして直接の言及を避けた。
関係機関のまとめによれば、現在入国待機中の留学予定者は14万7千人に上っており、技能実習生や就労予定者らも含めた海外人材の来日がほぼ2年間に渡り滞る状況が続いている。特に年明け以降は国内外の学界や経済界を中心に、政府の硬直的な水際対策に対する批判の声が噴出。今週に入ってからは与党内の有力者からも、見直しを求める声が相次いでいた。
2月末に迫った当初期限を前に、週明けにも政府の具体的な方針が示されるとみられる。
岸田首相の水際対策に関するコメントは下記の通り。
(今後の水際対策についての考え)
水際対策については、様々な意見があるということは十分承知している。しかし基本的な考え方として変異種も含めたオミクロン株に対する科学的な知見の蓄積、内外の感染状況の変化、更には海外における水際対策のありようを総合的に勘案していかなければならないと思う。その上で緩和に向けた検討を進めていきたいと思う。
(水際緩和の対象や入国上限数に関する考え)
具体的な中身は今後検討していかなければならないと思っているが、従来から留学生の方、ビジネス目的、更にはそれ以外の文化・スポーツ、様々な分野において入国を求める方々に対して国益の観点、更には人道的な観点から個別に判断をし、入国を認めてきた。そうした骨格は守りながらも個別の対応を行ってきたというのが現状である。そうしたことを行ってはきたが、様々な観点から水際対策の骨格自体どうあるべきなのか見直し、緩和の方向で検討していきたいと考えているところだ。具体的にはいろいろな対応を考えていかなければならないと思うが、今申し上げたような観点からぜひ検討を進めていきたいと考える。
(現時点で緩和の検討に至った理由は?)
(背景には)様々な意見がある。しかし大きな感染対策の流れの中で考えていかなければならない。そして状況がどんどん変化しているわけだから、変化の中でどうあるべきなのか、これを検討していくということだ。
(緩和時期のめどは?)
まず今の水際対策の骨格は2月末までということでご協力をお願いしている。ただその中で状況は変化していく。科学的な知見の収集や内外の感染状況の差、国内の状況など様々な観点、それから各国の水際対策も変化しているわけだから、変化の中でどうあるべきなのか見直しの検討をしていきたいと思っている。(緩和の)タイミング等についても変化の中でどうあるべきなのか、しっかり検討していきたい。
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