インフォメーション

2021-06-09 11:37:00

 

新型コロナウイルス感染症の蔓延が、2年続きで日本留学試験(EJU)の海外実施に甚大な影響を及ぼしつつある。変異株B.1.617がアジア地域で急速に拡大している状況を受けて、今月20日に予定されていた日本留学試験(EJU)の国外会場の内、新たに台湾(台北)、マレーシア(クアラルンプール)、シンガポールの3会場が中止されることが決まった。実施元である日本学生支援機構(JASSO)が8日、発表した。早い段階で実施しない方針が決まっていたフィリピン(マニラ)を含めると、中止は計4会場となった。

 

この内、マレーシアでは先月の1か月だけで、これまでの累計感染者の4割を占めるなど、ここに来て感染が急拡大しており、今月1日より全面的なロックダウンに踏み切っていた。現在各地で厳しい移動制限が課されており、現地随一の著名校で日本語学習者も多いマラヤ大学でも、寮に居住中の学生が外出できなくなるなど影響が広がっている。

 

EJUの現地実施協力機関であるマレーシア元留日学生協会では、ギリギリの段階まで駐マレーシア日本国大使館など関係機関と協議を重ね、試験実施の可能性を模索した。昨年11月の試験時には同大使館がマレーシア政府と交渉し、受験時の移動を特別に許可されたが、今回はロックダウンの余波で試験会場が封鎖されるに至り、代替場所の確保見通しも立たないことから、最終的にやむなく中止を決断した模様だ。

 

マレーシアでは、来月に計画されていた日本語能力試験(JLPT)の実施も早い段階で中止が決まっており、日本留学に欠かせない日本語「二大メジャー資格」の第1回試験が、2年連続でいずれも行われない異常事態となった。日本留学を計画している現地の留学予定者にも一定の影響は避けられない。

 

一方、台湾は先月初めまでは累計感染者が100人足らずだったが、ここにきて急拡大し、1か月足らずのうちに1万人を突破。シンガポールを含めこれまで「コロナ対策の優等国」とされてきただけに、関係者にとってはまさに想定外ともいえる事態の急変となった。

 

各国・地域における今後の感染状況次第では、中止となる国外の会場はさらに増える可能性がある。なお日本国内の会場は現時点で予定通り、EJUが実施される見通しだ。

 

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2021-06-09 11:35:00

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6月に入り、中国の全国統一大学入試「高考」のシーズンが到来した。今年は全土で1078万人と史上最多の受験が見込まれている。ここ数年、大学入試の「外国語」試験で日本語を選択した学生が全国の省・自治区中、最も多い南部の広東省では、67日から3日間に渡り636千人が「高考」本番に臨む。折しも同省内における新型コロナウイルス感染の再発が重なり、試験の準備作業も入念な調整を迫られた。期間中、省内各地の大学では感染抑止と試験の円滑な実施のため、最高レベルの厳戒態勢が敷かれている。

 

※広東版・大学入試のコロナ対策は?

 

全国統一大学入試「高考」の実施に際して、広東省では受験生など関係者を全7グループに分類し、それぞれに異なる感染抑止対策を行なっている。

広東省教育庁の景李虎庁長が会見で明らかにしたところによれば、7グループの内訳は、①新型コロナウイルス PCR検査で陽性が判明した受験生、②陽性者と濃厚接触したか、その疑いがある受験生、③健康アプリでレッドやイエローが表示されたり、発熱症状がある受験生、④正常な状態にある受験生、⑤社会人受験生、⑥入試業務に携わるスタッフ、⑦受験生の家族、だという。

 

一方、全受験生に共通する事項としては、試験前14日間の健康観察措置とPCR検査を義務付けるとともに、居住エリアごとに異なる感染状況に応じて個別の抑止対策が定められている。

 

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2021-06-09 11:32:00

~私費外国人留学生の実態調査 JASSOが結果を公表~

 

日本学生支援機構(JASSO)が隔年で実施している「私費外国人留学生生活実態調査」の最新の結果がこのほどまとまった。今回の調査はコロナ禍前の昨年2月から3月にかけて行われており、全国の大学、専門学校、日本語教育機関等に在籍する1万人にアンケートを送付し7025人からWebシステムで回答を得ていて、留学生を取り巻く現状が相当程度反映されたものとなっている。

 

同結果からは、留学生活における財政面の詳細な状況が見てとれる。

まず収入面では、全国の留学生が仕送りや奨学金なども含めて得ている総収入(月額)の平均額は148千円となっているが、最も高い東京都(166千円)と四国(119千円)では5万円近い格差が見られた。留学生の主要な収入源はアルバイトと仕送りで、高等教育機関・日本語教育機関の在籍者ともアルバイトに従事している留学生が7割を超え、同様に仕送りを受けている人も7割以上いた。何らかのアルバイトに従事している人の収入平均月額は、留学生の在籍区分別に高等教育機関が74千円、日本語教育機関が87千円だった。アルバイトの職種別では飲食業が40%、営業・販売(コンビニ等)が33%を占め、時間数は週平均で「20時間以上25時間未満」が4割と最も多いが、これらはコロナ禍前の調査であることから、その後度重なる緊急事態宣言に伴う就業先の休業などで、現在では大きな変動が生じているとみてよい。

 

また奨学金の受給者は全体の約3割で、受給している留学生の平均受給額でみると高等教育機関が62千円、うち国立大学が78千円なのに対し、日本語教育機関は39千円に止まっている。私立大学は59千円、専門学校は42千円だった。

 

一方、支出面では、学習研究費、住居費、食費の順に負担額が大きい。留学生の在籍区分別にみた平均支出月額では、国立大学学部レベルが117千円と最も低く、私立大学は学部レベルが156千円、大学院レベルが163千円で、専門学校は15万円、日本語学校は同153千円等となっている。

 

なお留学生の宿舎の形態については、全体の4分の377%)が「民間アパート・マンション等」に居住していて、「大学・学校の留学生用宿舎」は9%と1割に満たない状況に大きな変化は見られない。また単身で居住している留学生の割合が全体の6割近くと、2年前の前回調査より約10ポイント増加し、「同居人がいる」人は4割に減少した。また同居人がいる場合でも同居者は同じ外国人留学生という人が6割を超えていて、「日本人学生と同居」中はわずか3%だった。

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2021-06-02 15:13:00

日本政府は新型コロナウイルス感染症に伴う水際対策で一時停止していた国費留学生の新規入国に関して、条件付きで受入れを再開する。文部科学省の関係筋が62日、『留学生新聞』の取材に対して明らかにした。

まずは来日後に日本語学習が必要な学生を、予備教育課程で受入れる方針で、受入れ体制が整った大学、高専、専門学校より順次対象とする。…

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2021-05-28 15:18:00

   衆院文科委員会で質疑  文化庁が見解示す

 

526日の衆議院文部科学委員会で質問に立った浮島智子議員は、現下の入国制限により経営危機に見舞われている日本語教育機関の現状を取り上げた上で、「日本語教育機関は国内の大学や専門学校への進学において極めて大事な存在であり、多文化共生社会の構築にとっても重要。現在の支援策だけでは対応できない」と述べ、先に関係6団体と日本語教育推進議員連盟が加藤勝信内閣官房長官に要望書を提出したことを踏まえ、所管する文化庁の対応を質した。

これに対して文化庁の矢野和彦次長は、前回の萩生田光一文部科学相の国会答弁を踏襲し、まずは雇用調整助成金や新型コロナウイルス特別貸付等、既存の支援制度を活用するよう重ねて求めた。一方で同庁では、日本語教育機関が具体的に困窮している内容について現在聴取を進めているとした上で、①教育の質を担保するためクラスを維持する必要があり、在籍数の減少に応じた教員の休業にも限界がある、②校舎や寮は告示基準上、学生規模に応じた縮小や再拡大が難しく、コロナ後を考慮すると確保しておく必要もある、などの課題を把握していることを明らかにした。

矢野次長はこれらを踏まえ、「国の政策として、日本語教育機関の振興と活用推進を図ることにより、外国人受入れ体制を充実させることは非常に重要であり、今後日本語学校の継続のためにさらにどのような支援が可能であるかについて検討をしていきたい」と述べた。

【衆院文科委員会の質疑内容(概要)

浮島議員:現在、新型コロナウイルス感染症に関する水際対策が強化され、海外からの入国は制限がされています。外国人の留学生の授業料で経営が成り立っている日本語学校への影響は甚大であり、学生の在籍数は落ち込んでおり、今後の見通しも全く立っておらず、まさに日本語学校は危機的な経営状況にあると言われています。現在、日本語教育推進法を受けて公認日本語教師の資格の創設などに向け、政府が検討している一方で、このままでは経営の悪化により、そもそも日本語学校や日本語教師がいなくなってしまい、今後留学生を迎える際の日本語教育推進にも深刻な影響が出かねないと思います。こうした深刻な状況を伝えるため、512日には日本語教育推進議員連盟と日本語教育機関関係6団体が加藤官房長官のもとへ伺い、要望書を提出しました。今直面しているコロナを乗り越え、日本語学校が今後も継続できるように支援をしていかなければなりません。日本語教育機関は国内の大学や専門学校への進学において極めて大事な存在で、また多文化共生社会の構築にとって重要であり、現在の支援策だけでは対応できないと思います。日本語教育機関の振興と活用推進を図ることにより、外国人受入れ体制の充実を図る必要があると考えますが、文化庁の見解を伺います。

矢野文化庁次長:日本語教育の推進は、多様な文化を尊重した活力ある多文化共生社会の実現に資するものであり、日本語学校はその推進にあたり重要な役割を担っていますが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、海外からの学生を受入れることが出来ず、厳しい状況にあると承知しています。政府全体の日本語学校の継続支援対策としましては、例えば新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業主に対する雇用調整助成金や、新型コロナウイルス感染症の影響で業績が悪化した法人に対する新型コロナウイルス特別貸付等が利用できる場合があるため、これら各種支援策を最大限、まずはご活用頂ければと考えています。文化庁としては現在、超党派でつくる日本語教育推進議連と共に、要望書を提出された日本語教育機関関係6団体から具体的にどのような点で困っているのか、その現状をお伺いしているところですが、例えば教育の質を担保するため、在籍者が減っていてもクラスなどを維持する必要があり、教室の最大定員20名のところ数名でもクラスを設置する必要があるため、在籍者数減に応じた教員の休業にも限界があるとか、あるいは現在の学生数に応じて校舎・寮を縮小したくても、待機学生が入国制限解除の際すぐに入学してくることを想定し校舎・寮を確保しておく必要がある、コロナ後に備える必要があるということです。また校舎については一度縮小してしまうと再拡大には告示基準上の手続きがあり、簡単に拡大できない、こういった声が届いています。国の政策として、日本語教育機関の振興と活用推進を図ることにより、外国人受入れ体制を充実させることは非常に重要であり、今後日本語学校の継続のためにさらにどのような支援が可能であるかについて検討をしていきたいと考えています。

浮島議員:今、国の政策としてという言葉もありましたが、早急にしっかりと対策を検討し、そしてしっかりとした支援を強く要望します。

 

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